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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻11号

1952年11月発行

原著

初期妊娠人工中絶術の静脈麻醉について—(特にLvipan-NaとPentothal-Sodとの比較)

著者: 織田明1

所属機関: 1甲南病院・産婦人科

ページ範囲:P.506 - P.509

文献概要

緒言
 1932年Kropp,Taubにより創製せられ,Weeseにより臨床的に用いられてバルビツール酸誘導體(Evipan-Nat)は短時間麻醉兼誘導麻醉劑として賞用されて來たが,我國にても類似組成品にOuropan,Bonodrin,Oltopan,Cyclopan等があり,終戰後には人工妊娠中絶の増加に伴い該手術時の短期麻醉劑として大いに利用されている。元來Evipanによる靜脈麻醉は使用簡易,効力發現及び覺醒の迅速,麻醉離大,覺醒後の不快感のないこと等の特長を有するが,時には興奮,痙攣,筋搐搦等の不快なる随伴症状が現われ,手術繼續に困難を來すことがあり,之が封策としては阿片アルカロイド迷朦劑,或はクラーレ様筋弛緩劑の併用を賞用している者もある。
 一方1934年Landyによりベルビツール酸誘導體で分子式中に硫黄を有するpentothal Sodiumが發表せられ,米國では多數應用せられているが,之が體内の分解が速く,從つて作用の調節が容易であり,不安,興奮などが少いとされている。我國でも安井氏の報告以來遂次應用されている。今回私は主として初期妊娠中絶の掻爬術に際しOuropan-NaとRavonalを用い,共に適切なる短期麻醉劑と認めたが,比較検討し各々に若干の長短ありたろによりその成績を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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