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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻11号

1952年11月発行

文献概要

速報

産婦人科領域に於ける血管及び氣管内セルロイド注入による基礎的研究—(特に組織學的檢索の併用)

著者: 河合信秀1 外川淸彦1

所属機関: 1東京大學醫學部産科婦人科學教室

ページ範囲:P.530 - P.532

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緒言
 血管内に各種色素,例えば墨汁,朱等を注入して,その血管,特に毛細管,或は榮養血管等の走行を検索し,更に血管壁の透過性を主として病理組識學的に究明せんとするこゝろみは古來幾多先人の輝かしき業績の1つであり,これによつて數多くの新事實が發見されて醫學史上に偉大な貢献をなしている事は衆知の事實である。一方吾が産婦人科領域でも,特に骨盤内血管走行の解剖學的研究が認むべき効果をあげている。しかしながら此等の研究に際し特に細血管の場合には其の中の血液が凝固する關係もあつて非常な困難をともなうことは研究擔當者の等しく認める所であり,胎盤内に於ける循環路の解明は殊に至難で,從て此點に就いては未だ未知な部分が多い。然るに近年それ等色素の代りに,流動性Latex, Vinilacetat,セルロイド等凝固性物質を用いるようになつた結果,上述の困難は著しく克服される至つた。我々もセルロイドを用い,組織學的検索の併用と相まつて,胎盤内循環路,骨盤内血管の走行,子宮内膜ラセン血管の状態等を明かにし,他方新産兒の氣管内にそれ等を注入して肺の發育過程を追求することを企て,目下研究續行中で未だ認むべき所見を得ていないが,以下其の實驗方法,及び今後の研究方針について述べて見たいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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