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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻12号

1952年12月発行

特集 避妊と不妊

不妊症の原因,診斷及び治療

卵管通水法

著者: 八木日出雄1

所属機関: 1岡山大學

ページ範囲:P.585 - P.590

文献概要

1.通水法の歴史
 私が卵管通水法を初めて發表1)したのは昭和4年11月(1929年)名古屋に於ける第20回近畿婦人科學會の席上であつたから今日既に23年を經ている。通水法という名前も又それを横文字にしたHydrotubationという名稱も私が附けたのであつて,これはその演説の際にもハツキリ述べている。翌1930年その原著2)が近畿婦人科學會離誌に掲載された。Hydrotubationという語を考えたのはRubin testがPertubation或はIntubat—ionと呼ばれていたのに對したのである。
 私はRubinの通氣法が我國に紹介されて間もなく京都大學でこれを追試していたが,その後Heusaの造影法が鍮入されてから,この方も併せ實施し,不妊症患者の診斷に兩者を盛んにやつて見て,その長短を比較研究する立場にあつた。造影法は正確で結構であるが,「レ」装置のない開業醫は全然やれないし,通氣法は無手勝流であるが成績がドーモ正確でない。造影法をやつている時の體驗であるが油劑の注入が圓滑にゆき壓力計の指針が高くならなかつた時は油劑を10cc以上も入れたら大抵通過佳良と判斷が出來,あとで「レ」寫眞像を見て前の想像とよく一致することであつた。これに反して,兩側卵管の閉鎖の際は油劑の注入は困難で強い抵抗を感じ,強いて注入せんとすれば外子宮口から漏洩する。これは「レ」像を待つ迄もなく閉鎖である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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