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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻12号

1952年12月発行

特集 避妊と不妊

不妊症の原因,診斷及び治療

婦人性器結核の診斷

著者: 水谷佐12

所属機関: 1東京大學醫學部産科婦人科學教室 2東京都臺東産院

ページ範囲:P.594 - P.598

文献概要

Ⅰ不妊症と婦人性器結核
 婦人性器結核が重要な不妊原因をなすことは諸家の認める所である。本症は卵管に最も頻發し(85〜90%),次で子宮腔を犯すことが多い(50〜70%)。其の結果は卵管では卵管採の機能や卵の運搬に必要な粘膜上皮の氈毛運動が障害され,更に粘膜の腫脹からも妊卵の移動が障害されて時に子宮外妊娠を來すことがあり,腹腔口や管腔が癒着閉鎖すると遂に永久不妊症を招來する。次に子宮内膜が犯されるとたとえ卵管は健常でも妊卵の着床が困難となり,幸に着床しても子宮内妊娠の流産に終ることが多い。Graefeは婦人性器結核の20%は小兒期に始り,不妊原因をなすと云い,Kellerは既往症として不妊と結核性疾患とがあれば本症の疑が強いと述べており,何れにしても本症は性成熟期に多く,不妊を招來する事が多い。貴家は573例の婦人性器結核中60.4%は30歳以下に見られ,而も61.2%は不妊であるとした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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