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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻12号

1952年12月発行

文献概要

特集 避妊と不妊 避妊の理論と実際

避妊の適應症

著者: 秦淸三郞1

所属機関: 1東京醫大産婦人科

ページ範囲:P.648 - P.650

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 現在の日本は國土の割に人口過剩,食糧の不充分,經濟の逼迫,心身過労による心身の傷害等のため,國家的並に私的兩方面より避妊の必要に迫られて居り,政府も我國として嘗てみざる避妊藥また避妊器具の製造をも許可している位である。
 避妊の適應となり得るものは現在の我國に於ては極めて廣範圍であるが,避妊の適應症をのべる前に,屡々使用されてはいるが,不適當な受胎調節法なる言葉の代りに避妊という言葉に統一し,殊に素人への啓蒙には避妊という言葉を使用した方が遙によいと思うのでそれについて少しく申しのべ度い。その理由は受胎調節という言葉はconception controlを譯した言葉であつて,一應良さそうであるが,事實とは反對して居るから.である。即ち1)實際行うて居る受胎調節の方法の多くは,受 精調節であつて決して受胎調節ではなく2)受胎調節という言葉を推奨する人々は,實際 行うて居る方法の中で,受精阻止よりは受胎阻 止が主であると思われる方法例えば避妊リン グ,避妊ピン等は堕胎法であるから絶對いけな いという。即ち眞の受胎調節はいけないといゝ ながら,受胎調節という言葉を使用している。3)實際行うている多くの方法は受精調節である から,受胎調節という言葉とは一致せぬ上に, 素人には理解し難く面倒である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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