文献詳細
症例研究
文献概要
某醫師に封する業務上過失致死被告事件で解剖に附された1女性屍(妊婦)に,1成熟胎兒を容れた完全重複子宮(完全中隔膣を伴なう)を見出し,しかもその死因が特異體質に基くショツク死であつたという,やや珍らしい例に遭遇したので簡單に報告する。
1.29才の妊婦。これまで1回,人工妊娠中絶を受けたことがあるという。今回の妊娠は,最終月經が昨年(昭和26年)8月28日より同30日までで,以後妊娠は順調に經過し,分娩豫定日を數日後に控えた昭和27年5月28日,某醫院を訪れた。そこで重複子宮を發見され,手術(帝王切開?)の目的で翌29日同院に入院,翌30日,手術に先立ち,腰麻醉のために腰椎穿刺を行い,「ペルカミン」を注入したところ,數分を出ずして卒然死亡した。その結果,業務上過失致死の疑いで,當東京大學法醫學教室に於て解剖するところとなつた。
1.29才の妊婦。これまで1回,人工妊娠中絶を受けたことがあるという。今回の妊娠は,最終月經が昨年(昭和26年)8月28日より同30日までで,以後妊娠は順調に經過し,分娩豫定日を數日後に控えた昭和27年5月28日,某醫院を訪れた。そこで重複子宮を發見され,手術(帝王切開?)の目的で翌29日同院に入院,翌30日,手術に先立ち,腰麻醉のために腰椎穿刺を行い,「ペルカミン」を注入したところ,數分を出ずして卒然死亡した。その結果,業務上過失致死の疑いで,當東京大學法醫學教室に於て解剖するところとなつた。
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