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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻2号

1952年02月発行

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家兎眼球中に生育せる人胎盤のホルモンモン分泌

著者: 柴生田潤1

所属機関: 1東京大學醫學部産科婦人科學教室 2

ページ範囲:P.83 - P.86

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 現在迄に行われた胎盤の組織培養の成功により,ゴナドトロピンはラングハンス氏細胞から分泌されていることがわかつた。組織培養液中のゴナドトロピン總量はそこに存在するラングハンス氏細胞の數に正比例する。ジンチチウム細胞は組織培養では一寸大きくなるだけですぐに退化してしまうため,エストロゲン及びプロゲステロン産生に關してのジンチチウム細胞の役割は未だ結論に達していない。妊娠10カ月の妊婦の血液及び尿中にエストロン・プロゲステロン及び此等の代謝産物が高濃度に見出されるので,妊娠10ヵ月の胎盤を人體外で生育させることが出來れば,此はジンチチゥム細胞のエストロンプロゲステロン産生の有無を解明するのに極めて望ましいことであろう。しかし組織培養では妊娠10ヵ月の胎盤を生育せんとする試みは全て失敗に歸した。繊維性の組織のみが生育して,ジンチチウム細胞もラ氏細胞も生育しなかつたのである。
 一方今迄に猿,モルモツト,hamster (1種の大鼠)家兎等の眼球内に移植することにより,兩性の正常性器組織,胎盤兒臓器及び良性乃至惡性腫瘍が生育することがわかつている。とすれば妊娠10ヵ月の人胎盤組織の家兎眼球内移植はin vitroの組織培養で結論の出なかつた點に解決を與えるのではなかろうか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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