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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻7号

1952年07月発行

文献概要

速報

エストロゲンの甲状腺剔除細胞抑制効果について

著者: 石原力1

所属機関: 1東京大學醫學部産科婦人科學教室

ページ範囲:P.329 - P.332

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 甲状腺を手術的に剔除するか,放射性ヨード(I131)で破壊するか,或はthiouracilを投與すると,それから分泌されるホルモンであるthyro-xineの血中濃度が下り,これを調節しようとして何等かの機序によつて,下垂體前葉から甲状腺に作用するホルモン,即ちthyrotropinの分泌が増加する。この様な調節機序をUotila(1940)は基本的向甲状腺分泌リズムbasic thyrotropic secretory rhythmと稱し,Hoskins(1949)は補助機序servo mechanismと呼んだ。それを下垂體前葉について形態學的に追究すると,特にラツテに於て,α細胞の減少と甲状腺剔除(以下甲剔と略記する)細胞(板野1937)Thyreoidektomiezellen(Satwornitzkaja 1926),thyroidectomycells(Zec kwer 1935)という特殊細胞の出現とが認められる1)。この細胞は空胞形成β細胞であつて,その鹽基好性顆粒から形成されるkolloid様室胞内のhyalin物質こそthyrotropinに他ならないという想像も可能であろう。なおここにいうα或はβ細胞とは,Bailey(1928)の提唱によつたもので,Schönemann(1892)以來酸好性或は鹽基好性細胞と稱せられて來たものであるが,こり從來の名稱は適當ではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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