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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻7号

1952年07月発行

文献概要

速報

絨毛性性腺刺戟ホルモンの乳汁分泌促進効果に關する一検討

著者: 松本淸一1 新村唯一1

所属機関: 1愛育研究所母性保健部

ページ範囲:P.332 - P.333

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 乳汁分泌機能は下垂體前葉から分泌される乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)によつて促がされることは周知の事實であるが,此の他に乳汁分泌を促進するホルモンがあるかどうかに就ては,尚明かにされていない。最近赤須,大谷(1951)は人の正規胎盤からVan Dyke氏變法で抽出した絨毛性性腺刺戟ホルモンを乳汁分泌不全褥婦に注射した所,38例中26例(70.2%)に著効を見,又分娩直後授乳を停止させて乳汁分泌滅少,乳腺組織の退行變性を來たさせた經産家兎に本ホ」を連續注射すれば乳汁分泌も組織像も恢復し,分娩後授乳停止家兎に直ちに本ホ」を連續長時日注射すると,乳汁分泌機能及び組織像が長く分娩直後に近似した状態を維持することを認めた。從來妊娠中には乳腺は發育増殖するが,乳汁分泌は起らず,分娩が終了すると乳汁分泌が發來するとゆう事實に關して,胎盤から乳汁分泌を抑制する物質が出されるためであろうとゆう見解もあり,胎盤から分泌される絨毛性性腺刺戟ホ」が乳汁分泌を促がすとゆうことは,かゝる見解とは相反する。而し一方に於いて絨毛性性腺刺戦ホ」は黄體刺戟ホ」を主體とするホルモンである(Brown&Brad—bury 1947, Brown 1950)とする説があり,又黄體刺戟ホ」はプロラクチンと同一のホルモンである(Evans等.1941)とされていることを考慮すると,絨毛性性腺刺戟ホ」にプロラクチンと同様な作用が認められることも考え得る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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