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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻8号

1952年08月発行

文献概要

原著

初期人工妊娠中絶手術に對する静脈麻醉劑Pentothal sodiumの使用經験

著者: 小西行男1

所属機関: 1東邦大學醫學部産婦人科教室

ページ範囲:P.342 - P.344

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緒言
 短時間の手術,殊に我領域に於ける初期人工妊娠中絶術に對しては最近静脈麻醉が盛んに行われて來ている様である。
 静脈麻醉劑としては,從來我國に於てはWeise(1932)の創製したEvipan-Natrium(この國産品にOuropan,Cyclopan,Bonodorin,Oltopan等がある)が使用されて來たが,衆知の如く,本劑が時々注射直後の全身痙攣,筋搐搦並に覺醒時の興奮等を示す事等があつて我領域に於ては廣く應用されて來なかつた様である。安井氏の177例の臨床實験報告によれば,痙攣177例中10例(5.6%),與奮177例中42例(23.2%)である。然るに近時,新バルビタールの合成が盛んに行われ,最近注目に値するものはPentothalとAmytalである。中でもPentothalはLundyによつて,Evipanの如き副作用がなく,吸収分解が迅速のために調節が容易である點等があげられ推奨せられている。最も注意さるべき副作用は安井氏のラボナール(國産ペントタール)に於て66例中10例であるが此は何れも極めて輕微で且回復も早く從來の静脈麻醉劑に比して遙かに優秀であると云われている。アミタールについては私は今の所全く經験を持つていないが我が國に於ては,澁澤氏の報告があり,我領域に於ては澤崎氏の報告がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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