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原著
子宮癌診断法としての塗抹標本法の再検討
著者: 中村實1
所属機関: 1慶應義塾大學醫學部産婦人科學教室
ページ範囲:P.348 - P.360
文献購入ページに移動緒言
從來子宮癌の確診法としては生體組織検査法が唯一のものであり,Schiller氏法その他の血清學的方法等は單なる補助診断法に過ぎなかつたのである。
Papanicolaou及びTrautにより創始された塗抹標本法は種々の追試並びに改良法が發表され,本邦においても次第にその價値が認められ,專ら實用の域に達し,日常醫家の用いる所である。然し乍ら塗抹標本法が果して子宮癌の確診法であり得るかと云う點については大いに議論のある所である。本研究に於いて,私は先ず第一に擦過塗抹標本法を用いて,新鮮な細胞を細胞學的に精診し且つ各種の方法を用いてこれらの塗法に出現する細胞を組織標本中の細胞と比較研究し,塗法の診斷率を高め,そして又塗法中の細胞の剥脱したその母組織を推定することにより,擦過塗法が子宮癌の確診法であり得ることを證明せんと試みた。
從來子宮癌の確診法としては生體組織検査法が唯一のものであり,Schiller氏法その他の血清學的方法等は單なる補助診断法に過ぎなかつたのである。
Papanicolaou及びTrautにより創始された塗抹標本法は種々の追試並びに改良法が發表され,本邦においても次第にその價値が認められ,專ら實用の域に達し,日常醫家の用いる所である。然し乍ら塗抹標本法が果して子宮癌の確診法であり得るかと云う點については大いに議論のある所である。本研究に於いて,私は先ず第一に擦過塗抹標本法を用いて,新鮮な細胞を細胞學的に精診し且つ各種の方法を用いてこれらの塗法に出現する細胞を組織標本中の細胞と比較研究し,塗法の診斷率を高め,そして又塗法中の細胞の剥脱したその母組織を推定することにより,擦過塗法が子宮癌の確診法であり得ることを證明せんと試みた。
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