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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科6巻8号

1952年08月発行

文献概要

速報

ヒアルロニダーゼの臨床的實験

著者: 芳野八重子1

所属機関: 1東京遞信病院産婦人科

ページ範囲:P.377 - P.379

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 1928年Daran-Reynals及びMc.Cleanは組織の透過性を高めて色素や細菌毒素等を急速に積散させる物質が精嚢からの抽出エキスや諸種の細菌例えば肺炎双球菌,葡萄球菌,連鎖球菌,の一部悪性水腫菌等に含まれて居り細菌感染や炎症の擴大に主要な役割をもつていることを明らかにして最近人々の注目を惹いた。この物質は主としてヒアルロニダーゼと云われる一酵素であることも判明した。又Chain.u.Duthieは身體各部に廣く分布している結合組織よ結合織細胞及び繊維とこれを包容する基質とからなつていてこの基質はヒアルロン酸から出來ている事を明らかにした上ヒアルロニダーゼを組織内に注人するとこの酵素はヒアルロン酸を加水分解して粘稠度を著しく低下させて透過性を亢進させることを明らかにした。私はヒアルロニダーゼの組織結合織に及ぼす透過性を觀察してみようと思い婦人科手術後の患者に施行するRinger氏液にヒアルロニダーゼの一定量を加えて,その吸収時間の消長を検討した。ビアルロニダーゼは武田藥品工業株式會社提供の試供品(N=0.975mg)を使用した。
 以下ヒアルロニダーゼはヒとRinger氏液はR氏液と略す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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