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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻1号

2006年01月発行

文献概要

今月の臨床 ART 2006 ARTの健全な発展のために

ARTにおけるカウンセリングの重要性

著者: 久保春海1

所属機関: 1東邦大学医学部第1産婦人科学教室

ページ範囲:P.20 - P.23

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不妊カウンセリングとは何か

 心の教育とか心のケアとかの言葉が一般の人によく知られ,心の問題に関心をもつ人が増えてきた.しかし,現在カウンセリングの意味は曖昧に使用され,人生相談や進路相談,あるいは医療相談などもカウンセリングとして扱われる場合がある.相談はある意味カウンセリングの一部ではあるが,相談は実質的な問題点を相談しにいく人が,何らかの意味で相手に教えてもらうとか,忠告してもらうという意味合いが強くなる.しかし,カウンセリングは1対1の人間同士の話し合いであり,クライエント自身の自主性,クライエント自身の考え,クライエント自身の体験を大切にしながら,その人が自然に変化していくのを支援者が助けるものである1)

 したがって,生殖医療では,不妊に関するクライエント自身の思いや背景,意向をクライエントの語り(narration)による対話を通して,医療者側がよく聞いてあげることが不妊カウンセリングの基本となる.

参考文献

1)河合隼雄 : カウンセリング入門.第1版.pp1─205,創元社,大阪,2002
2)Harumi K : Investigation of the psychosomatic factors in sterility. The Family. pp282─285, Karger, Basel, 1975
3)久保春海 : ARTにおけるチーム医療.森 崇英,久保春海,他(編) : 図説ARTマニュアル.第1版.pp413─424,永井書店,大阪,2002
4)久保春海 : 不妊の情動障害と薬理作用からみた不妊カウンセリング.久保春海(編): 不妊カウンセリングマニュアル.第1版.pp43─55,メジカルビュー社,東京,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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