icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻1号

2006年01月発行

今月の臨床 ART 2006

ART成功率向上のための要点

卵胞発育調節法の工夫

著者: 京野廣一1

所属機関: 1医療法人社団レディースクリニック京野 京野リプロダクションリサーチセンター

ページ範囲:P.41 - P.43

文献概要

はじめに

 生殖補助医療(ART)において妊娠・出産成功の秘訣はいかにして良質の卵子を獲得するかにかかっている.そのためには患者の卵巣予備能力を把握し,それに最も適した安全かつ負担の少ない卵巣刺激法を選択・実施することである.現在,卵巣予備能力が正常な場合はGnRH agonist─long法が選択される.この場合,ゴナドトロピン(Gn)投与前に卵胞径が均一になり,良好卵子が得られ,最も良好な妊娠率が期待できる.しかし,GnRH agonist─short法やGnRH antagonist法ではGn投与時,投与後も卵胞径が不揃いで,採卵のタイミング決定に迷いが生じることもあり,前方視的検討では妊娠率もGnRH agonist─long法に比較しやや劣る.この欠点を補うべく,Gn投与前に種々の方法で前処置(pretreatment)し,卵胞の均一化をはかることが求められる.また,最近の報告では卵巣刺激の卵胞後期にLHを添加した場合に卵胞成熟促進,アポトーシス誘導・卵胞数のコントロール効果がみられ,特に35歳以上の症例では妊娠率向上と卵巣過剰刺激症候群(OHSS)低下が期待できる.

 本稿では,当院で前方視的検討を行った成績と文献的考察を加えて,ART成功率向上のための卵胞発育調節法の工夫について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら