臨床婦人科産科60巻1号

2006年01月発行

今月の臨床 ART 2006

ART成功率向上のための要点

培養液の選択と培養環境の整備

著者： 佐藤学¹ 福田愛作¹

所属機関： ¹IVF大阪クリニック

ページ範囲：P.48 - P.51

文献概要

はじめに

　体外受精（IVF）～体外培養（IVC）～胚移植（ET）の一連の過程において，培養液はあらゆる過程で使用されているが，その培養液組成はそれぞれで異なっている．本稿では上記過程，さらには未熟卵体外成熟（in vitro maturation : IVM）での培養液の選択について触れ，その培養液を取り巻く環境の整備についても当院での実際を交えて概説する．

参考文献

1）Schini SA, Bavister BD : Two─cell block to development of cultured hamster embryos is caused by phosphate and glucose. Biol Reprod 39 : 1183─1192, 1988

2）西原卓志，他 : 同一症例で比較した3種類のSequential Mediumの有効性に関する検討．日本受精着床学会雑誌21 : 95─100, 2004

3）福田愛作 : IVM─IVF（未熟卵体外成熟体外受精胚移植法）の現況．J Mamm Ova Res 21 : 45─51, 2004

4）福田愛作 : ラボのクオリティ管理．鈴木秋悦（編）: 体外受精Update．pp94─100，メジカルビュー社，2001

5）Fukuda A, Noda Y, Tsukui S, et al : Influence of water quality on in vitro fertilization and embryo development for the mouse. J In Vitro Fertilization and Embryo Transfer 4 : 40─45, 1987

6）中澤輝喜，他 : 胚培養用ミネラルオイルの品質及び品質に影響する因子に関する検討．日本受精着床学会雑誌21 : 76─81, 2004

7）福田愛作 : ミネラルオイルの調整．鈴木秋悦，他（編）: ARTラボラトリー．pp80─81，メジカルビュー社，2000

8）赤松芳恵，他 : インキュベーターの小型化がIVFの胚の質と妊娠率に及ぼす影響．日本受精着床学会雑誌21 : 101─104, 2004