臨床婦人科産科60巻10号

2006年10月発行

今月の臨床 妊娠中の偶発症候─産科医のプライマリケア 症候への産科プライマリケア

8. 腰痛・股関節痛

著者： 鈴木真¹

所属機関： ¹亀田総合病院産婦人科

ページ範囲：P.1296 - P.1299

はじめに

　妊娠中には体重の増加やホルモン環境の変化といった身体的，生理学的変化が起きる．これらの変化は妊娠維持や分娩を順調に進めるのために必要なことである．しかし，それらの変化は腰痛や股関節痛などの原因となることがある．腰痛は妊娠中に起こるマイナートラブルの1つであり，約70％の妊婦に認められる．

参考文献

1）　Bermas BL : Changes to the musculoskeltal system during pregnancy. UpToDate（www.update.com）

2）　小辻文和 : 妊娠による母体の変化．エッセンシャル産科学・婦人科学．p327，医歯薬出版，東京，2001

3）　茶谷賢一，長谷　斉 : 腰痛の原因．産婦人科の治療92 : 115─121，2006

4）　痛みの診断と治療．腰痛・下肢痛・しびれ : 日本産婦人科医会研修ノート75 : 61─68，平成18年3月

5）　中山恭秀，猪飼哲夫 : 腰痛に対するリハビリテーションの手技とその効果．産婦人科の治療92 : 169─174，2006

6）　堀口貞夫 : 妊娠中期のプライマリケア．マイナートラブル．周産期医学34 : 1723─1726，2004