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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻11号

2006年11月発行

雑誌目次

今月の臨床 エイジングと生殖医療

生殖医療における女性のエイジング

著者: 齊藤英和 ,   中川浩次 ,   高橋祐司

ページ範囲:P.1341 - P.1345

はじめに

 生殖医療においては,女性の年齢は妊娠を左右する大きな要因である.近年,高齢の不妊女性が増加しており,加齢を原因とする不妊に対する治療法の開発や高齢になる以前に児を持つことができる社会環境を整備することがクローズアップされている.本稿では,生殖医療における女性のエイジングについて考察する.

加齢に伴う男性生殖機能の影響

著者: 岩本晃明 ,   山川克典 ,   野澤資亜利

ページ範囲:P.1347 - P.1355

はじめに

 男性生殖機能は極言すれば高齢になっても亡くなるまで妊孕能を有しているといえる.しかしながら,加齢に伴う生殖器の特徴的な変化としては精巣サイズが小さくなり,硬度・緊満度が低下してくるということがある.男性生殖機能の加齢に伴う影響を論ずるときには加齢による視床下部・下垂体・性腺系への影響を検証しなければならない.そこで本稿では,加齢に伴う内分泌変化,精子数の変化,精巣組織の形態上の変化について解説する.

エイジングと配偶子,受精卵の染色体異常

著者: 中岡義晴

ページ範囲:P.1356 - P.1361

はじめに

 近年,社会環境の変化による晩婚化や共働き夫婦の増加などにより,妊娠,出産の年齢が上昇する傾向にある.さらに,生殖補助医療をはじめとした不妊治療の進歩が今までは不可能と考えられていた夫婦に対する挙児の可能性を生み,高齢夫婦にも不妊治療の機会が増加している.その一方で,加齢が及ぼすさまざまな要因が,妊娠率の低下,流産率の上昇,さらに新生児の異常の増加を引き起こしている.その最大の要因が,配偶子および胚の染色体異常である.21番染色体トリソミーであるダウン症の発生頻度は,40歳の女性では30歳の約10倍と,年齢が高くなるにつれて発生頻度が高くなることがわかっている.さらにその余剰染色体のほとんどが母親由来で,さらに第一減数分裂時に生じていることが分子細胞生物学的検査からわかっている1).自然流産において,女性年齢が高くなるにつれて流産率が上昇するのに加え,流産児における染色体異常児の割合も30歳未満では約50%に対して38歳以上では90%以上と高くなっている2)

 今回,生殖医療において最大の問題となっている年齢のエイジング,さらに体外培養などによるエイジングの観点から,配偶子および受精卵における染色体異常について概説する.

エイジングを考慮した不妊治療のストラテジー

著者: 石原理

ページ範囲:P.1363 - P.1365

はじめに

 2005年の合計特殊出生率は1.25であったことが2006年6月1日に発表され,社会保障・人口問題研究所から発表された日本の将来推計人口の中位推計の結果1)が,いよいよ信じ難いものとなりつつある(表1).この推計は2000年の実績値に基づくものであるから,遅くとも2007年早々には発表されるはずの2005年の実績値に基づいて計算される次版の数値が特に注目されるわけである.

 しかし,少子化問題の本質は,この出生率にあるわけではない.なぜなら出生率は結果であり,その構造の背景にある重大な要因は,先進諸国において全世界的にみられる平均初婚年齢および初産年齢の上昇である.日本ではこれらに,さらに未婚率の上昇という要因が加わる(ちなみに日本では1980年に20から34歳の男女未婚率はそれぞれ52.4%と33.3%であったが,わずか20年後の2000年では68.2%と55.5%となった).なぜなら,日本では出生する子のうち嫡出でない子の割合が,近年,多少は上昇したとはいうものの,2004年で1.99%と異例に低く(表2),事実上は未婚=子供なしという姿を呈する唯一の先進国だからである.

 すなわち,不妊治療の現場ではこのような状況を冷静に判断する必要がある.

 不妊治療のストラテジーを考慮する場合,例えば「もう少し早く治療を開始していれば」などという筆者を含む不妊専門臨床家がしばしば,ためらいながらも思いがちな“ぼやき”は,まさにまったく無意味なことである.日本の平均初産年齢はまもなく30歳になろうとしているが,スウェーデンの首都ストックホルム中心部の平均初産年齢は,すでに36歳を超えている.したがって,まだまだ今後,日本女性の初産年齢が上昇することは確実である.不妊治療が開始される年齢は,平均初産年齢と当然並行して上昇するわけであるから,治療者にとって,女性のエイジングに的確に対応することが,最大の課題であることは間違いないのである.

高年齢女性における排卵誘発剤の使い方

著者: 柴原浩章 ,   岡島毅 ,   高橋佳容子 ,   平野由紀 ,   高見澤聡 ,   鈴木光明

ページ範囲:P.1367 - P.1373

はじめに

 生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)の目覚しい発展により,例えば再建不能な両側卵管閉塞症例,軽症~中等症の男性不妊・免疫性不妊・原因不明不妊に対するAIHの反復不成功症例,あるいは受精障害を伴う重症男性不妊症例などの多くが,体外受精・胚移植(in vitro fertilization-embryo transfer : IVF-ET)または卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection : ICSI)-ETの登場により解決をみるに至った.

 このような現状において,エイジング,あるいはそのほかの理由(骨盤内への放射線治療,化学療法,卵巣摘出などの手術,早発閉経)による卵巣予備能(ovarian reserve)の極端な低下に伴う難治性の排卵障害を呈する女性への不妊治療が,現時点における限界の最たるものであろう.この場合,おそらく夫婦間でのARTも含めた治療不能をもってその適応とするのであろうが,卵子提供プログラムによる不妊治療を容認する国も存在する.

高齢不妊女性治療の工夫―私はこのようにして成功率向上をめざしている

著者: 宇津宮隆史

ページ範囲:P.1374 - P.1379

はじめに

 近年の生殖医療の特徴の1つに,その進展のめざましさの反面,対象患者年齢の高齢化に伴うさまざまな問題点が増加してきている.われわれ生殖医療を担う者は,その患者と生まれてくる児の両方の健康にも責任を持たねばならない.そのために,なるべくハイ・リスク妊娠を避けるべきであり,特に多胎妊娠は最も注意すべき点の1つである.

 しかし,患者年齢の高齢化はすなわちハイ・リスク要因である.要するに,現在の生殖医療は初めからハイ・リスク妊娠を覚悟して行うことが多いのである.当院でもこの14年で挙児希望女性の初診時年齢が2歳上昇した.体外受精患者の平均年齢は37~38歳で,ときには40歳以上ばかりの週もある.そのような加齢者〈ここでは当院の生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)妊娠率の結果から35歳以上を加齢者と呼ぶ〉は妊娠しないことが多いので,何度もチャレンジするために全体のART妊娠率は下がる一方である.エイジングの問題点は提供卵子を用いた研究により1),年齢は子宮に関係なく,純粋に卵子の問題であることが証明されている.このようにARTにおいて加齢患者の問題点は医学的には卵子の質と数に集約され,またそのような妊娠困難と思われる患者への心理的サポートも重要となろう.

高齢不妊女性治療の工夫―私はこのようにして成功率向上をめざしている

著者: 矢野浩史 ,   大橋いく子 ,   久保敏子

ページ範囲:P.1380 - P.1383

胚孵化法(assisted hatching)

 加齢により透明帯の硬化(zona hardening)などの変化が惹起され,胚の孵化過程(hatching)が障害されると考えられている.胚孵化法(assisted hatching)は透明帯の一部を切開する,あるいは穴を開けるなどの処置を施して孵化を促進し,移植胚の着床率改善をはかるために考案された技術である1).assisted hatchingの方法は透明帯開孔法(zona opening)あるいは透明帯菲薄法(zona thinning)などであるが,最近は半導体レーザー(1.48μmm diode laser)を用いたレーザー法(laser assisted hatching:LAH)2)が普及している.半導体レーザーの光線は赤外線領域にあり,細胞のDNA障害を起こしにくいため,安全性が高いと考えられている.しかも大量生産が可能で,従来のレーザー装置に比べて安価である.

高齢不妊女性治療の工夫

著者: 朝倉寛之

ページ範囲:P.1384 - P.1387

わが国の母体高齢化傾向

 日本社会での女性の社会進出とともに晩婚化が進み,1973年以降,出生数,出生率の減少が続き,2004年の平均第一子出生年齢は28.5歳となった1).1980年以降,総出生率は減少し続けるが,35歳以上の高齢出産数はその実数および割合ともに増加傾向が続き,2004年においては,35歳以上の高齢妊娠は全妊娠の15.2%を占め(1970年は4.7%),特に35~39歳が13.5%,40~44歳が1.7%となった(1970年には,それぞれ4.2%,0.5%)1).あるコンピュータモデルでは,30歳から35歳への妊娠延期による自然妊娠力の約50%をARTは補償できるが,35歳から40歳への延期では約30%しか補償できないとされる2).よって,第二次ベビーブーム世代が30歳代後半を迎える現在,挙児希望にて不妊症治療施設を受診する患者層が増し,特に不妊症治療施設を受診する卵巣機能がすでに低下した患者の割合も増加すると予想される.当院では,すでにART実施患者のうち,35歳以上が全体の3分の2,40歳以上が3分の1によって構成されるに至っている.

卵細胞質移植法の現状と問題点

著者: 栁田薫

ページ範囲:P.1388 - P.1391

はじめに

 現在の生殖医療では,体外受精(IVF)をはじめ顕微授精(ここでは卵細胞質内精子注入法:ICSIとする)の実施により,治療可能域が拡大し,多くのカップルがその恩恵にあずかっているところである.しかし,これらのARTはすべてのカップルに有効なのではなく,カップルによってはIVFやICSIの反復不成功例,卵子の質がいつも不良である例などに遭遇することが多々ある.反復不成功もその原因を掘り下げると,原因の1つとして卵子のクオリティ不良が存在する可能性がある.さらに,その原因については同定された確かなものがないのが現状であるが,要因の1つとして女性の加齢に伴う卵子のクオリティの低下がある.このような卵子のクオリティの低下は依然として生殖医療の大きな障壁となっており,IVFやICSIをもってしても克服できない障壁となっている.

 卵子のクオリティ低下の一要因である女性の年齢の高齢化については,もちろんその妊孕能低下の1つの大きな原因として,卵巣のなかの卵子数が減少することもあるが,遺伝的に正常な卵子がより少なくなっているからでもある.卵巣中の卵子数がピークとなるのは妊娠4~5か月時で600万~700万個といわれる.その数は出生時には100万~200万個となり,思春期では30万~50万個,30歳後半で卵子数が約25,000個となるころから卵子の消失傾向が強くなる.異常染色体を持つ卵子も加齢とともに増加するので,正常卵子の割合は急激に減少する.加齢とともに増加する卵子の障害は染色体異常だけではなく,実験動物の卵子では表1のような異常が確認され,いわゆる卵子のクオリティ低下が認められている.もちろん,加齢によらない原因からも表1のような異常が起こる.

卵子提供によるART―世界の動向と展望

著者: 久慈直昭 ,   水澤友利 ,   浜谷敏生 ,   橋場剛士 ,   末岡浩 ,   吉村泰典

ページ範囲:P.1393 - P.1395

はじめに

 年齢上昇などによる卵子自体のエイジングによって不妊治療が成功しないカップルにとって,卵子提供は最後の希望となる.欧米ではTurner症候群など若年の卵巣不全症例の治療として臨床応用が始まり,これまで技術的な面以外にも,提供者のリクルート,高年齢の女性に本法を応用した場合の産科的リスク,そして匿名性に関する問題や,提供者を得ることが難しい卵子提供で特に問題となる姉妹間の卵子提供などについて,さまざまな検討が行われてきた.わが国でもARTの普及とともに,体外受精を基礎技術とする本治療に対するクライアントの意識も変化し,海外へ治療を求めて渡航する夫婦も多い.本稿では,臨床医にとって身近となった卵子提供について,海外で指摘されているこの治療の問題点を概観し,この治療を希望するカップルに医師が説明する際,特に留意すべき点を考察する.

連載 産婦人科エコー 何を考えるか?・10

肝内の石灰化像

著者: 竹内久彌

ページ範囲:P.1337 - P.1339

 妊娠22週の妊娠中期超音波スクリーニングで胎児腹部に高輝度の塊状像が描出されたとして精検を求められた症例である.

 ここには,そのとき高輝度塊状像を通過するようにして得られた胎児上腹部の横断像(左側)と矢状断像(右側)の2画面表示を示した.径7~8mmのほぼ球形の高輝度塊状像(矢印)が肝実質内のほぼ中央に描出されていることがわかる.このような高輝度塊状像は,骨以外ではいわゆる石灰化(calcification)が組織内に起こったものとして差し支えない.石灰化の超音波像には音響陰影(acoustic shadow)の発生が認められるが,本例でも弱いながら認められる.なお,最近の装置では音響陰影が素直に表現され難くなっていることに注意せねばならない.結局,本例は「胎児肝実質内にみられる高輝度点状像(punctate echogenic foci)」と定義される肝内石灰化(intrahepatic calcification)が描出されたものといえる.なお,胎児形態にほかの異常はまったくみられなかった.

教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・15

創部膿瘍と思われた子宮頸癌皮下転移の1例

著者: 福田香織 ,   武木田茂樹 ,   山口聡 ,   埴岡啓介 ,   西村隆一郎

ページ範囲:P.1397 - P.1401

症例

 患者は34歳の主婦(2回経妊・2回経産)である.約半年間の不正性器出血を主訴として,近医を受診し子宮頸癌の診断にて当院を紹介された.MRI所見では頸部に52×48mmの腫瘤が認められ,傍結合織への浸潤が認められたが,明らかなリンパ節腫大や遠隔転移巣は確認されなかった.血中腫瘍マーカーはSCC<0.5ng/ml,CEA 0.8ng/ml,CA19─9 11.1U/mlと正常範囲内であったが,CA125値のみが63.9U/mlと軽度上昇していた.

 子宮頸部扁平上皮癌(非角化型)IIb期の診断のもと,DJ療法(ドセタキセル80mg+カルボプラチン800mg)1コースによる術前化学療法(NAC)を施行した.NACにより局所病巣は36×32mmへと縮小し,CA125値も9.4U/mlと正常化し,広汎性子宮全摘術ならびに骨盤内リンパ郭清術を施行した.摘出した腫瘍サイズは38×27×10mmで,術後病理診断では深達度7mm,リンパ管侵襲(+),血管侵襲(-)であった.患者の意思により術後追加療法を行わず,外来フォローとなった

イラストレイテッド産婦人科小手術・13

【婦人科小手術】腟壁・会陰裂傷縫合術

著者: 川野由紀枝 ,   西田欣広

ページ範囲:P.1404 - P.1407

1.はじめに

 産道損傷は分娩時において最も多い合併症である.特に会陰,腟壁裂傷は頻度が高く,両者はほとんど同時に発生する.産科医であれば産道損傷は不可避であり,縫合技術の習得は必須である.また,3~4度裂傷は頻度は低いが,その修復技術は知っておく必要がある.さらに産道損傷を最小限にとどめるための急速遂娩術の技術,分娩介助の方法も熟知する必要がある.会陰裂傷縫合における手技,器材,起こりうる合併症について述べる.

病院めぐり

市立砺波総合病院

著者: 野島俊二

ページ範囲:P.1409 - P.1409

 市立砺波総合病院は,昭和23年に国保連合会出町厚生病院として産婦人科を含む6診療科,100床の病院として現在地に開院し,その後昭和31年に砺波市に移管された.昭和56年に現名称に改称後,平成13年に臨床研修指定病院,同14年に日本医療機能評価機構の認定を受け,平成16年に屋上ヘリポートを有する新病棟が完成した.

 診療科目23科,一般病床475床,精神・感染症・結核病床を含め528床の地域中核病院として,初夏にはチューリップ畑の広がる散居村となみ野に聳え立つ新病棟に生まれ変わった.現在,常勤医師70名,非常勤医師8名,臨床研修医6名,看護師337名,助産師13名の職員が一丸となり,「地域に開かれ地域住民に親しまれ信頼される病院」を理念とし日夜診療業務に従事している.

婦人科

石切生喜病院

著者: 山本彰

ページ範囲:P.1408 - P.1408

 患者の皆様が「生きる喜び」を得られるような医療施設でありたい,これが石切生喜病院の名前の由来です.大阪市の東に隣接する人口約5万人の東大阪市に位置し,奈良県と境する生駒山の麓近くにあります.病院の周辺には,でんぼ(腫瘍)の神様として有名な石切神社や,司馬遼太郎記念館,そして全国高校ラグビーでおなじみの近鉄「花園ラグビー場」などがあります.

 当院は昭和57年に開設され,平成16年に新病棟が完成しました.病床数は一般病床331床,透析100床で,標榜診療科は20科と充実しており,地域の基幹病院として高い評価を得ています.院内には,MRI2台,CT2台,血管造影検査装置,マンモグラフィ,リニアック治療設備,PET検査設備と,透析センターICUなどを備えています.平成17年より臨床研修医を毎年10名前後受け入れ,病院内は活気に満ちています.

もうひとつのインドネシア―セックスワーカーを通してみたリプロダクティブヘルス・2

インドネシアにおける妊産婦死亡と人工妊娠中絶

著者: 東梅久子

ページ範囲:P.1412 - P.1413

多様性の国インドネシア

 インドネシアは赤道直下に浮かぶ17,500あまりの島々に約2億2,300万人が暮らす世界最大の島嶼国家である.東西5,000km,南北2,000kmに広がる国土の面積は日本の約5倍,言語の異なった250以上の民族から構成される人口は世界第四位である.

 ひとくちにインドネシアといっても,高層ビルが立ち並ぶ首都ジャカルタから裸にペニスケースをつけた先住民族が住むイリアン・ジャヤ州まで幅広く,この国を一括りに語ることはできない.国家統一のスローガンである「多様性のなかの統一」は,国家を統治することの困難性をも表している.

症例

ヘモグロビン2.0g/dl未満の高度貧血を二度繰り返した子宮腺筋症の1例

著者: 朝野晃 ,   佐藤智子 ,   石垣展子 ,   太田聡 ,   早坂篤 ,   和田裕一

ページ範囲:P.1415 - P.1418

 症例は49歳,主婦.2004年にヘモグロビンが1.8g/dlの高度貧血となり,全身倦怠感を訴え受診した.輸血を行い,Gn-RHアゴニストを投与し貧血は回復した.手拳大の子宮腺筋症を認め,過多月経による貧血であった.その後も貧血を繰り返していたが,2006年に再びヘモグロビンが1.9g/dlの高度貧血となり入院した.手術に対する恐怖心から手術を拒んでいたが,輸血を行い,Gn-RHアゴニストを投与し,貧血の回復後に子宮全摘を行った.術後の経過は良好である.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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