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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻11号

2006年11月発行

連載 症例

ヘモグロビン2.0g/dl未満の高度貧血を二度繰り返した子宮腺筋症の1例

著者: 朝野晃1 佐藤智子1 石垣展子1 太田聡1 早坂篤1 和田裕一1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構仙台医療センター産婦人科

ページ範囲:P.1415 - P.1418

文献概要

 症例は49歳,主婦.2004年にヘモグロビンが1.8g/dlの高度貧血となり,全身倦怠感を訴え受診した.輸血を行い,Gn-RHアゴニストを投与し貧血は回復した.手拳大の子宮腺筋症を認め,過多月経による貧血であった.その後も貧血を繰り返していたが,2006年に再びヘモグロビンが1.9g/dlの高度貧血となり入院した.手術に対する恐怖心から手術を拒んでいたが,輸血を行い,Gn-RHアゴニストを投与し,貧血の回復後に子宮全摘を行った.術後の経過は良好である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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