文献詳細
今月の臨床 ピル─エビデンスに基づいて新ガイドラインを読み解く
ピルの副効用(利点)と新ガイドライン─エビデンスに基づく解説
文献概要
はじめに
骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こす病原体はさまざまであるが,なかでも近年は性感染症(STD)の拡大が注目されている.一方,低用量ピル(OC)は避妊のために使用されるものであり,STDの予防や治療には無効であること,コンドームを使用しないとSTDに対する予防効果がないことを,OC服用患者に十分に説明することが重要である.OC使用によりコンドーが使用されなくなり,STDの蔓延が危惧されているが,わが国においてはOCの服用を希望する場合には必ず医師を訪ねるわけであり,その際,STDの早期発見・治療が可能になるだけでなく,コンドームの使用法を学ぶ格好の機会となる.
骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こす病原体はさまざまであるが,なかでも近年は性感染症(STD)の拡大が注目されている.一方,低用量ピル(OC)は避妊のために使用されるものであり,STDの予防や治療には無効であること,コンドームを使用しないとSTDに対する予防効果がないことを,OC服用患者に十分に説明することが重要である.OC使用によりコンドーが使用されなくなり,STDの蔓延が危惧されているが,わが国においてはOCの服用を希望する場合には必ず医師を訪ねるわけであり,その際,STDの早期発見・治療が可能になるだけでなく,コンドームの使用法を学ぶ格好の機会となる.
参考文献
1)野口昌良:性感染症-子宮頸管炎・子宮付属器炎.産婦人科治療92:827-833,2006
2)国立感染症研究所感染症情報センター:感染症発生動向調査事業年報,2004.(Webhttp://idsc.nih.go.jp/idwr/CDROM/Main.html)
3)木原正博,他:日本人のHIV/STD関連知識,性行動,性意識についての全国調査.教育アンケート年鑑,2000年版.pp117-135,2000
4)野口昌良:産婦人科領域におけるSTDの特徴.熊澤淨一,田中正利(編):性感染症STD:南山堂,東京,2004
5)日本産科婦人科学会(編):低用量経口避妊薬に関するガイドライン(第2版).2005
6)野口昌良:婦人科感染症,佐藤和雄,藤本征一郎(編):臨床エビデンス婦人科学.メジカルビュー社,2003
7)日本性感染症学会(編): 性感染症診断・治療ガイドライン2004.日性感染症会誌15(Suppl),2004
掲載誌情報