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連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・17
卵巣の嚢胞性腫瘍あるいは卵管水腫と見誤った回盲部腫瘍の1例
著者: 佐々木茂1 名取穣治2 清水篤1 國重浩二1 砂原昭一1
所属機関: 1海老名総合病院産婦人科,マタニティ・センター 2海老名総合病院外科
ページ範囲:P.1519 - P.1521
文献購入ページに移動患者 : 17歳,学生.未経妊,初経13歳,月経周期不整
主訴 : 内科より卵巣腫瘍疑いにて当科に紹介され受診となる.
既往歴 : アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,気管支喘息,腎性糖尿
現病歴 : 最終月経は4月10日から7日間,2週間前から嘔気,心窩部痛があり5月15日に当院内科に受診した.内科で施行した腹部超音波検査にて右下腹部に長径7.2 cm大の卵巣嚢腫および少量の腹水を認めたため,翌日の5月16日に当科に紹介され受診した.
現症 : 外診上,腹部に腫瘤を触知せず.外陰部に異常所見を認めない.直腸診で子宮は前傾前屈,大きさは正常,右付属器に鵞卵大の嚢腫状腫瘤を触知した.左付属器は触知せず.経直腸超音波検査で右卵巣は5.2×4.4 cm大の嚢胞性腫瘤像を示し,左卵巣は正常所見であった(図1).また,Douglas窩に腹水を少量認めた.右嚢胞性卵巣腫瘍の診断のもとに腫瘍マーカーを検査し,MRI検査を予約した.
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