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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻2号

2006年02月発行

文献概要

連載 産婦人科エコー 何を考えるか?・2

胎児下腹部骨盤腔内の嚢胞像

著者: 竹内久彌1

所属機関: 1愛和病院画像診断部

ページ範囲:P.119 - P.121

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妊娠15週の定期健診時の超音波診で胎児下腹部骨盤腔に明らかな嚢胞像がみられた症例である.

 嚢胞の位置と形態からその発生源を推定すると,骨盤腔から出て腹壁よりに頭方に膨らむ嚢胞の形から,これが尿の貯留した膀胱であろうと考えて矛盾はないものといえる.ただ,通常の尿貯留の際にはみられないほど拡張して見えることから,過剰に尿の貯留した膀胱であると考えられた.膀胱以外に液体を貯留する臓器としては,ほかの泌尿器系臓器や内性器があり得るが,位置的,形態的に該当する異常臓器は考えられず,妊娠15週という週数からは異常発生した腫瘤性病変も考え難い.したがって,この時点では単純に尿貯留により拡張した膀胱が考えられた.

参考文献

1)Snijders RJ, Shawa L, Nicolaides KH : Fetal choroid plexus cysts and trisomy 18 : assessment of risk based on ultrasound findings and maternal age. Prenat Diagn 14 : 1116─1127, 1994
2)Nyberg DA,Resta RG, Luthy DA, et al : Echogenic bowel and Down's syndrome. Ultrasound Obstet Gynecol 3 : 330─333, 1993
3)Nicolaides KH, Snijders RJ, Gosden CM, et al : Ultrasonographically detectable markers of fetal chromosomal abnormalities. Lancet 340(8821): 704─707, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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