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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻3号

2006年03月発行

雑誌目次

今月の臨床 妊婦と胎児の栄養管理

産褥・授乳期の栄養管理

著者: 鈴木真

ページ範囲:P.291 - P.295

はじめに

 分娩が終了してから,妊娠・分娩に伴う母体の生理的変化が非妊娠時の状態に復する期間を産褥期と称し,通常6~8週間要するとされている.胎児の娩出にともない胎児・胎盤・子宮への循環が消失し,子宮は1か月ほどで妊娠前に復するが,母体全体が妊娠前に復するためにはさらに2~4週間かかるということになる.出産後には身体の復古に加えて,育児と母乳哺育をする場合には母乳を産生するという新たな仕事が生じるので,これらを考慮して栄養管理を行う必要がある.また妊娠高血圧症候群で高血圧や蛋白尿があった場合や妊娠糖尿病の場合にはそれぞれ個別の指導が必要になる.

胎児期の栄養管理と生活習慣(成人)病(fetal origins of adult disease : FOAD)

著者: 福岡秀興 ,   下村達郎 ,   塚本浩子 ,   向井伸治 ,   永井泰

ページ範囲:P.296 - P.301

はじめに─生活習慣病胎児期発症(FOAD)説とは

 世界的に高血圧,高脂血症,動脈硬化,糖尿病などの生活習慣病といわれる成人病が著しく増加しており,この予防が人類にとって重要な課題になっている.これら成人病は遺伝的素因と環境因子(生活習慣)の2つの負荷により発症するという考え方が主流であり,その予防に生活習慣の指導が行われている.成人病は「生活習慣病」であり,成人病の名は用いるべきでないとまでいわれている.しかし,この名称は「成人病は生活習慣さえ気をつければ,その発症は阻止できる」という印象を多くの人々に与えることを筆者らは危惧している.この考えで,日本の成人病発症を抑制する効果が上がるであろうか.むしろ根本的な発症機序を理解し明確にしたうえでの,効率的な対策を展開すべきであると考えている.そのためにも成人病という疾患名はむしろ使われるべきであろう.

 成人病を発症する特殊な遺伝子多型は確かにあり,多様な遺伝子多型が組み合わされることで易発症性の人々はいる.成人病患者を対象として大掛かりなSNPs分析プロジェクトが進行中であり,その最終成果が待たれているが,成人病発症集団の全体からみると,遺伝因子の関与はきわめて少ないことがすでに明らかになっている1).また肥満者はすべて,中心性肥満を起こし糖尿病を発症し,高血圧症になるであろうか.否である.発症する人と発症しない人がいる.その成人病発症機序に関して,第三の説として注目されているのが,20年以上前から英国サウザンプトン大学の疫学者David Barkar学派が唱え始めた成人病胎児期発症説(feta1 origins of adu1t disease : FOAD)説2~4)である.「成人病といわれるさまざまな疾患は,胎児期あるいは乳児期の栄養状態により,その素因の約70%が規定され,その後の生活習慣の負荷により発症する」という説であり,疫学,動物実験,分子レベルなど各方面にわたって,全世界で大掛かりな研究が行われている.胎児期の低栄養により,インスリン抵抗性,メタボリック症候群,シンドロームX,高血圧症,糖尿病,脂質代謝異常,中心性肥満,レプチン抵抗性,骨粗鬆症,精神疾患,その他が発症するというこの説の提唱者D.Barker先生は,2005年秋に栄養学分野のノーベル賞といわれているダノン賞を受賞された.以前は仮説とされてきたものが学説として認められたのである.その後,この説の考え方や概念は拡大していき,「次世代(含 : 次々世代)の健康および疾患の素因は,受精卵環境,胎内環境,乳児期環境で多くが決まること」が明らかとなってきた.この説はその概念を拡大してDevelopmental Origins of Health and Disease(DOHaD)学説に発展している.2005年11月,カナダ,トロントで第3回世界DOHaD学会が開催され,多領域の分野から多くの人々が参加し,その流れが大きく変わろうとしている.

妊娠中の栄養代謝

妊婦の栄養代謝

著者: 江口勝人

ページ範囲:P.234 - P.237

はじめに

 280日という,比較的短期間に成長・発育を遂げる胎児を体内で養育する母体には,特有な代謝適応がみられる.つまり,胎児の発育というベクトルに向けて,各栄養素のみならずホルモン,免疫などが有機的かつ合目的な代謝相関を形成する.これらの要素のすべてが重要であることは論を俟たないが,胎児は母体のdependent parasiteであるという概念から,特に母体の栄養摂取(質と量)が基本的事項となる.

 しかるに,最近妊婦を取り巻く社会環境が急激に変化してきたことは周知のとおりである.国民の健康への関心は強まる一方で,食品の国際化(輸入食品),多様化(外国料理),簡便化(インスタント食品)などが進んで社会問題化している1).また,妊婦は金目鯛の摂取を制限するように(水銀汚染から)という,先般の厚生労働省の警告などにみられるように,環境汚染による健康被害も指摘されている.

 つまり,妊婦のみならず老人から小児まで幅広い層で食事のライフスタイルが変化して,加工食品利用の増加(外食産業),偏食,過食などから肥満,高血圧,高脂血症,糖尿病などの生活習慣病が増加しつつあり,重大な国民病となっている.食品添加物や防腐剤が母児の健康に及ぼす影響についても未解決のままである.狂牛病の問題も然りである.

 妊婦の栄養代謝の基本は今も昔もそれほど変わっていないが,本稿ではなるべく基本的な事項について述べたい.

胎児の栄養代謝

著者: 岩下光利

ページ範囲:P.239 - P.243

胎盤における物質輸送

 胎児は母体からの栄養に100%依存しており,母体側の栄養物質は胎盤を介して胎児側に輸送される.胎盤には種々の物質の輸送機構が存在し,胎盤のこの機能が障害されると母体の栄養状態のいかんにかかわらず胎児発育は抑制される.ヒトの胎盤は血絨毛性胎盤で胎児側の組織である絨毛は直接に母体の血液に接しており,絨毛上皮細胞の母体血に面する側は微絨毛構造を有し,この部位に物質輸送のための特異的な膜輸送機構が存在している.胎盤絨毛上皮細胞の物質輸送様式はほかの細胞と同様に,単純拡散,促進拡散,能動輸送,ピノサイトーシスなどの存在が証明されている(表1).

 本稿では,胎児にとって最も重要な糖とアミノ酸の輸送機構についてのみ触れる.

胎児発育と胎盤の機能・病理

著者: 中山雅弘 ,   濱中拓郎 ,   末原則幸

ページ範囲:P.244 - P.251

はじめに

 胎児発育の機能と病理を概論的に限られた誌面でまとめることは不可能である.今回は,胎児発育の不良(IUGR)を母体・胎盤側と胎児側から考察し,栄養・代謝の異常という観点を中心に述べる.最初に,これまで当科で行ったIUGRの統計結果を示す.次に,胎児側の異常を記載する.胎児側の異常と考えられる現在のところ原因不明の胎盤所見につき述べる.最後に,母体・胎盤側の異常を述べる.これに関連して,妊娠性高血圧症候群や虚血性の胎児発育不全を詳述する.

妊婦の体重管理

妊婦の体重増加─最近の傾向

著者: 中林正雄 ,   星野佑季 ,   竹田善治 ,   安達知子

ページ範囲:P.252 - P.255

はじめに

 日本女性の妊娠中の体重増加量について,日本産科婦人科学会栄養問題委員会報告1)では平均11.46 kg,妊娠中の生理的体重増加量は7~13 kg,妊娠後半期の生理的体重増加量は300~400 g/週,1,200~1,600 g/月としている.

 妊娠中の体重増加が多過ぎると起こりやすい異常としては,妊娠高血圧症候群(PIH),妊娠糖尿病(GDM),巨大児,微弱陣痛,分娩遷延,弛緩出血,帝王切開率の上昇などが挙げられる.

 妊娠中の体重増加が少な過ぎると起こりやすい異常としては,低出生体重児,神経管閉鎖不全(二分脊椎,無脳症など)などとともに最近注目されているのが胎児期成人病発症説(fetal origins of adult disease : FOAD)であり,2003年,イギリスのBarkerらによって報告されている(Barker説)2).すなわち,胎児期の母親の低栄養状態が成人病の素因をつくるというものである.高血圧症,動脈硬化,冠動脈疾患などの血管内皮機能異常,2型糖尿病,インスリン抵抗性,高脂血症などの糖代謝・脂質代謝異常,腎糸球体数の減少による腎疾患などは胎児期の低栄養が関与し,出生後の環境因子と相俟ってこれらの成人病発症率が高くなることを報告している.

 妊娠中の体重増加に関して,日本産科婦人科学会周産期委員会3)では,非妊時BMI別に定めており,BMI 18以上24未満の標準体型では7~10 kg増加,BMI 18未満のやせ体型では10~12 kg増加,BMI 24以上の肥満体型では5~7 kg増加としている.愛育病院でもこの基準に沿ってBMI別の妊娠中の目標体重増加曲線を作成し使用している4).しかし,この数値の妥当性を証明する多数例の成績は乏しい.

 一方,本邦においては食生活の欧米化によって肥満,2型糖尿病,高脂血症の増加が問題となっているが,生殖年齢である20~30歳代女性においては,やせ体型が増加傾向にある.国民栄養調査5)によれば,最近の20年間で20~30歳代のBMI 18.5未満のやせ体型女性は12%から26%と2倍以上に増加している.これら若年のやせ体型女性では栄養のバランスに偏りがあることも多く,また妊娠中でも食生活が改善されず,妊娠中の体重増加が少な過ぎることも多い.東京都健康局の母子医療統計6)によれば,妊娠中の体重増加量は年次経過として減少傾向にある.当院の正期産児の成績では,出生体重2,500 g未満の低出生体重児の発症率は平均5%前後であるが,BMI 18.5未満で妊娠中体重増加量が5~7 kgではその発症率は12.7%,5 kg未満では21.7%もの高値を示した7)

 本稿では,愛育病院で管理された妊婦について,非妊娠時BMI別の妊娠中体重増加量と周産期合併症の発症率の関連を示し,妊娠中の至適体重増加量について検討した8)

妊婦の体脂肪・体水分の動態

著者: 上田康夫

ページ範囲:P.257 - P.263

はじめに

 筆者が産科医になって最初に手にした教科書「産科学提要」1)には,妊婦体重に関して,「妊娠末期には非妊時の8~10 kg増しとなる.妊娠8か月以降,1週間に500 g以上の体重増加のあるものは水の異常貯留を考えねばならぬ.すなわち,妊娠中毒症の可能性がある」という簡潔な記載があり,これがこれまでの妊婦健診での体重評価の基本になってきた.実際に多くの産科医は母体体重増加を妊娠初~中期には太ること(体脂肪増加 : 肥満),後~末期にはむくみ(体水分増加 : 浮腫)の指標として巧妙に使い分けているものと思われる.また,われわれは「体重増加過剰と妊娠中毒症の関連性」をしばしば妊婦に指導するものの,その体重増加の成分を正確に把握しているわけではない.妊娠中毒症診断基準から浮腫が除外された現在も,やはり体重は妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)に関連しているのであろうか.

妊娠前の体型と周産期予後

著者: 村上真紀 ,   堤誠司 ,   倉智博久

ページ範囲:P.264 - P.267

はじめに

 多くの疾患において,肥満ややせは疾患の発症および経過に影響を及ぼす.妊娠に関しても,妊娠前の体型が母児双方の予後に影響を及ぼし,予後を悪化させるリスクとなりうることが報告されており,これまで多くの研究がなされてきた1~4).妊娠前の肥満は,妊娠糖尿病5~7),妊娠高血圧症候群8, 9)の発症のリスク要因であり,また帝王切開の頻度を上昇させることも知られている10).一方,妊娠前にやせている女性において,妊娠中の体重増加量にかかわらず,児の低出生体重および早産のリスクが高まるという報告もなされており11, 12),妊娠前のBMI(body mass index)は周産期における母児の重要な予後規定因子といわれている.

 このような研究・報告が多くなされている一方,わが国における同様の研究は決して多いとはいえない.また,近年わが国では生活習慣,食生活などの生活習慣が変化しつつあり,肥満の増加が懸念される一方で,若い女性においてやせた体型を望む傾向がある.厚生労働省の調査ではこの20年間で10歳代から30歳代女性のやせは2倍に増えており,BMI 18.5 kg/m2未満のやせの割合は26.0%と全体の4分の1を超す値になっている(図1 : 平成14年厚生労働省栄養調査)13).妊娠可能な年代にある女性の体型が変化してきているこのような背景をふまえて,最近のデータによる臨床疫学的な手法を用いた検討と,それに基づく妊娠前のBMI別の管理指針が必要ではないかとわれわれは考えた.以下にわれわれの調査研究成績を記す.

妊婦の体重管理

著者: 平松祐司

ページ範囲:P.268 - P.271

はじめに

 妊娠中の至適体重増加を考える場合,体重が増えすぎることにより,あるいは体重増加が不十分なためにどのような周産期合併症が増加するかが決め手となる1).いずれの場合も種々の合併症が起こるが,わが国の出産年代女性はやせ願望が強く,年々やせの比率が増加している.厚生労働省の平成15年国民健康・栄養調査報告2)によれば,body mass index(BMI)18.5未満のやせの比率は20歳代女性では1983年14.6%,1993年17.1%,2003年23.4%であり,30歳代女性ではそれぞれ7.8%,8.6%,14.7%であり,特に最近のやせ女性増加が顕著である.一方,BMI25以上の肥満女性の頻度は20歳代では1983年8.7%,1993年6.8%,2003年8.1%であり,30歳代女性ではそれぞれ13.5%,12.0%,12.6%であり過去20年間大きな変化はない.

 すなわち,個々の女性の食生活,体型,生活形態(運動量)は大きく異なっており,さらに時代とともに変化しているため画一的な指導は困難であり,個々の状況を把握したうえでの個別指導が重要となる.

異常妊娠と栄養管理

妊娠悪阻

著者: 髙木耕一郎 ,   倉田章子 ,   村岡光恵

ページ範囲:P.273 - P.275

はじめに

 妊娠悪阻は,いわゆる「つわり」と連続性を持つため,医学的介入の時期,方法に幅ができることは否めないが,重症化した場合,母体に重篤な障害を生ずることがあるため,注意を要する疾患である.また,嘔気・嘔吐を伴う疾患との鑑別診断を忘れてはならない.近年,Barkerらによる成人病胎児期発症説が注目されているが,妊娠悪阻が将来成人病発症に関与するか否かは,今後解明されるべき課題であろう.

妊娠高血圧症候群

著者: 松原裕子 ,   伊藤昌春

ページ範囲:P.276 - P.279

はじめに

 妊娠高血圧症候群の栄養管理については,1996年に日本産婦人科学会妊娠中毒症問題委員会より「妊娠中毒症栄養管理指針」が示され,その後,日産婦栄養代謝問題委員会によって「妊娠中毒症栄養管理指針,1981」に改正された.1998年には日本産科婦人科学会周産期委員会より「妊娠中毒症の生活指導,および栄養指導」としてさらに改正された(表1).その基本は摂取カロリー制限,塩分制限,高蛋白食である.なお,2005年に妊娠中毒症から妊娠高血圧症候群へ定義が改められ,今後栄養指導についても新たな指針が出るものと思われるが,現時点では妊娠高血圧症候群の栄養指導の指針は前述の表1を用いている.

妊娠糖尿病

著者: 安日一郎

ページ範囲:P.280 - P.283

はじめに

 種々の妊娠中の合併症のなかで,食事療法がその治療の基本戦略となるという意味で,耐糖能異常妊娠は多くのエビデンスが積み重ねられてきた唯一の妊娠合併症といえるであろう.しかしながら,その耐糖能異常妊娠ですら,その適切な摂取カロリー量,特に肥満妊婦に対する食事療法のあり方については,必ずしも確立したエビデンスがなく未だ結論をみていない1)

 妊娠糖尿病(GDM)は「妊娠中に発症したか,または初めて認識された耐糖能低下をいう」と定義されている(1995年,日本産科婦人科学会)2).この定義から,GDMには妊娠前に診断されずに隠れていた2型糖尿病,妊娠中に偶発的に発症した糖尿病も含まれる.したがって,GDMには,食事療法のみで管理できる軽度の耐糖能異常から妊娠前にすでに診断されていた糖尿病(妊娠前糖尿病)と同等の耐糖能異常まで,あらゆる程度の耐糖能異常が含まれている.食事療法はGDMの重症度のいかんにかかわらず基本戦略である.

多胎妊娠

著者: 小林暁子 ,   竹田省

ページ範囲:P.284 - P.289

はじめに

 ART(assisted reproductive technologies)の進歩に伴い多胎妊娠分娩件数は急増し,早産未熟児,子宮内胎児発育遅延(IUGR)管理によるNICUベッドの長期間占拠は周産期医療の大きな問題となっている.適切な栄養管理は最適な胎児発育・発達を促し,母体の健康にも関与する(Position of the American Dietetic Association, 2002)し,妊娠初期および胎児期の栄養は成人になったときの罹病率・死亡率と関係しているという報告1)や不適切な栄養管理は児の罹病率,死亡率の上昇や二次的な幼小児期の発育発達障害を起こす報告2)がなされている.このため単胎よりリスクが高い双胎での母体栄養管理はいっそう重要である.

 しかし,単胎妊娠では栄養摂取基準が設定されているが,多胎妊娠では必要栄養量が増加することは知られているが,摂取基準は決められていないのが実状である.また,双胎妊娠中の体重増加量の正常範囲や効果的な栄養指導方法など未解決な問題も多い.ここでは多胎妊娠と各種栄養素,妊娠前体重,妊娠中の体重増加,多胎妊婦教育プログラムについて述べる

連載 産婦人科エコー 何を考えるか?・3

胎児腹部の嚢胞像

著者: 竹内久彌

ページ範囲:P.231 - P.233

妊娠22週の妊娠中期超音波スクリーニングで胎児腹部のほぼ中央に明らかな嚢胞像が発見された症例である.

 嚢胞の発生源を推定すると,胃胞とほぼ平行に肝臓から出て下方が腸管に囲まれている嚢胞の位置と形,および嚢胞の頭方に嚢胞内に入る形の管腔構造(矢印)がみられることなどから,肝を発生源とした嚢胞構造であろうと推定できる.嚢胞位置がほとんど腹腔内中央にあることを考慮すれば,これが胆道に関連した嚢胞と考えて矛盾はない.この例で胆嚢を別に描出できなかったのは,検査時の妊娠週数からみてやむを得ない.ただ,この嚢胞を胆嚢自体と関連付けるには,その形態が合致しない.したがって,胆管に関連して発生した嚢胞と考えた.

婦人科超音波診断アップグレード・21

子宮筋腫の超音波所見

著者: 佐藤賢一郎 ,   水内英充

ページ範囲:P.303 - P.319

1はじめに

 子宮筋腫は子宮の筋組織から発生する良性腫瘍であり,実質は筋線維,間質は結合組織からなる平滑筋腫で,発生原因は不明であるが,発育にはエストロゲンが関与していると考えられている1).発生部位としては,およそ体部が90~95%,頸部が5~10%2)で,筋層内は60~70%,漿膜下は20~30%,粘膜下は10~15%3),筋腫分娩は手術を要する例の4.3 4)~6.2%5)との報告がある.外来患者中の5~10%3)を占めるとされ,最も頻度の高い婦人科領域の良性腫瘍である.

 月経困難,過多・過長月経とそれに起因する貧血などの主要症状のほかに,感染,水腎症,尿閉,有茎筋腫の場合の茎捻転,表層血管の断裂による腹腔内出血,変性筋腫の破裂,イレウス,子宮内反症,pseudo─Meigs症候群,臍ヘルニア,下腿潰瘍,血性心嚢水貯留,多血症,深部静脈血栓症,Plummer─Vinson症候群(鉄欠乏性貧血,嚥下困難,口角炎,スプーン状爪の合併),不妊,妊娠関連では流・早産,感染・腹痛,分娩障害などが起こり得る.また,子宮腺筋症,内膜ポリープ,卵巣腫瘍,子宮肉腫,ときには子宮体癌などとの鑑別が問題となることもあり,さらに播種性腹膜筋腫症や良性転移性筋腫などの発育態度が肉腫に類似する場合や悪性度不明の場合もあり,臨床的にきわめて重要な問題を含んでいる.

 表1に1994年に発表されたWHOの子宮平滑筋腫瘍の分類6, 7)を挙げ,表2に発生部位別にみた鑑別診断(ただし妊娠関連疾患を除く)8)を挙げた.

イラストレイテッド産婦人科小手術・7

―【婦人科小手術】―バルトリン腺の手術

著者: 山本紳一 ,   森美幸 ,   杉並洋

ページ範囲:P.322 - P.325

1はじめに

 バルトリン腺(Bartholin's gland)を最初に記述したのはデンマークの解剖学者のCaspar Bartholin(1655~1738)で1677年のことである.

 Two bean─sized tubuloalveolar glands situated one in each lateral wall of the vastibulum vaginae, in the lower third of the large labias, near the vaginal opening at the base of the labia majora. They secrete a mucous lubricating substance during sexual stimulation in females. They are oval in shape, and each is about 1.5─2.0 cm in length.

 バルトリン腺は大前庭腺とも呼ばれ,通常は触れることはできないが,腟の入口の左右両側の小陰唇の下端の皮下にある腺で,透明の粘液を分泌して,外陰部を潤沢にする機能を担っている.バルトリン腺からの分泌が少ない場合,性交痛などの不快な症状が生じるといわれている.

 バルトリン腺の疾患には,バルトリン腺炎,バルトリン腺嚢胞,バルトリン腺膿瘍,バルトリン腺腫瘍などがあるが,腫瘍は稀である.炎症などで腺の入口が閉鎖すると,腺からの分泌液が溜まり嚢胞を形成し,バルトリン腺嚢胞を形成する.嚢胞に感染を併発すると膿瘍を形成し,激しい疼痛をきたす.

病院めぐり

篠ノ井総合病院

著者: 木村薫

ページ範囲:P.326 - P.326

篠ノ井総合病院は,長野県厚生農業協同組合連合会(JA長野厚生連)によって昭和42年に長野市の南部に開設されました.現在,病床数433床(産婦人科35床),日本医療機能評価機構認定病院,厚労省臨床研修指定病院で,長野市南部の急性期医療を担う中核病院です.特に救急医療には力を入れており,二次救急病院として年間約14,000人の救急患者と約3,000件の救急車搬送患者を受けています.

 診療科は心血管外科,胸部外科,肝臓外科を含めて全25科,常勤医師数は54名,研修医7名,産婦人科医師数は常勤4名,非常勤1名(専門医3名)です.また,助産師は22名おり,厚労省助産師卒後教育病院に指定されています.信州大学の教育関連病院となっているため,研修医のほか医学部5~6年生の臨床実習,医療短大(現在は保健学科)の助産学専攻科の学生実習,長野高看の臨床実習,救急救命士の挿管実習などを引き受けています.

春日井市民病院

著者: 吉尾豪

ページ範囲:P.327 - P.327

春日井市は愛知県の尾張北東部に位置し,名古屋市に隣接した住宅都市として発展した人口30万人の市です.当院は昭和26年の開設ですが,施設の狭隘,老朽化が著しくなり,平成10年11月に新たな場所を求めて新築総合移転を行いました.春日井市民病院は,「自治体病院として地域の医療にかかわる要望に誠実かつ不断に応えることを存立の意義とする」という基本理念のもとに運営されています.

 新病院は22の診療科を持ち,一般550床,感染症6床,計556床で,病棟は地下1階,地上7階,診療棟は地下1階,地上3階の偉容を誇っております.敷地面積142,200 m2と広大で,駐車場は患者用1,200台,職員用500台の収容能力があります.平成17年12月現在の常勤医師数は111名を数え,臨床研修指定病院であると同時に,平成13年12月に(財)日本医療機能評価機構により「一般B」の認定を受けています.

教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・9

Laparoscopic cystic adenomyomectomyを施行し,術後再発した1例

著者: 結城広光

ページ範囲:P.331 - P.335

症 例

 患 者 : 17歳,高校生.初経は11歳,性交歴はなし.

 主 訴 : 月経痛,右下腹部痛

 既往歴・家族歴 : 特記事項なし.

 現病歴 : 2002年10月頃から月経時以外にも右下腹部痛を認めていた.近医を受診し排卵痛として鎮痛剤を処方されたが効果はなかった.当院内科より2003年11月に当科を紹介された.問診にて下腹部痛は月経時に強く,強度の月経痛を認めるとのことであった.

 現 症 : 双合診で,子宮自体に圧痛はなく,子宮から突出する右側腫瘤に圧痛を認めた(図1).MRIで血液成分を含む子宮筋層内腫瘤(35 mm)を,超音波検査で月経周期に伴い内容液の性状が変化する子宮筋層内嚢胞(34 mm)を認めた(図2).両側卵巣は正常であった.CA125は15.2 U/mlであった.

原著

双胎妊娠―母体妊娠前BMI,妊娠中体重増加率と児出生体重との相関

著者: 正本仁 ,   伊志嶺梢 ,   知花美紀 ,   上原博之 ,   伊是名博之 ,   城間肇 ,   吉秋研 ,   佐久本薫 ,   金澤浩二

ページ範囲:P.337 - P.343

はじめに

 単胎妊娠においては,母体の妊娠前体型指数(body mass index : BMI)および妊娠中体重増加が児の出生体重と正の相関を示すとされており,児出生体重からみた望ましい母体体重増加に関する多くの臨床研究が報告されている.一方,双胎妊娠における至適な母体体重増加に関しても,欧米ではいくつかの臨床研究が報告されているが,日本人と欧米人との間には身長,体重の分布に差異があり,母体の妊娠中体重増加について,その増加率やパターンに違いがあると推測される.したがって,日本人の双胎妊娠における適正な母体体重増加を明らかにするためには,日本人を対象とした検討が必要と考えられるが,そのような報告はいまだ見当たらない.

 本研究では,双胎妊娠における至適な母体体重増加を明らかにするため,母体の妊娠前BMI,妊娠中体重増加率と児の出生体重との相関について解析した.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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今月の臨床 頸管熟化と子宮収縮の徹底理解!―安全な分娩誘発・計画分娩のために

75巻4号(2021年4月発行)

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

75巻3号(2021年4月発行)

今月の臨床 女性のライフステージごとのホルモン療法―この1冊ですべてを網羅する

75巻2号(2021年3月発行)

今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?

75巻1号(2021年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 生殖医療の基礎知識アップデート―患者説明に役立つ最新エビデンス・最新データ

74巻12号(2020年12月発行)

今月の臨床 着床環境の改善はどこまで可能か?―エキスパートに聞く最新研究と具体的対処法

74巻11号(2020年11月発行)

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

74巻10号(2020年10月発行)

今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで

74巻9号(2020年9月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする?

74巻8号(2020年8月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅰ)―どんなときに小児科の応援を呼ぶ?

74巻7号(2020年7月発行)

今月の臨床 若年女性診療の「こんなとき」どうする?―多彩でデリケートな健康課題への処方箋

74巻6号(2020年6月発行)

今月の臨床 外来でみる子宮内膜症診療―患者特性に応じた管理・投薬のコツ

74巻5号(2020年5月発行)

今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル

74巻3号(2020年4月発行)

今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する

74巻2号(2020年3月発行)

今月の臨床 はじめての情報検索―知りたいことの探し方・最新データの活かし方

74巻1号(2020年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 周産期超音波検査バイブル―エキスパートに学ぶ技術と知識のエッセンス

73巻12号(2019年12月発行)

今月の臨床 産婦人科領域で話題の新技術―時代の潮流に乗り遅れないための羅針盤

73巻11号(2019年11月発行)

今月の臨床 基本手術手技の習得・指導ガイダンス―専攻医修了要件をどのように満たすか?〈特別付録web動画〉

73巻10号(2019年10月発行)

今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで

73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

73巻8号(2019年8月発行)

今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて

73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

73巻6号(2019年6月発行)

今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

73巻5号(2019年5月発行)

今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか

73巻4号(2019年4月発行)

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

73巻3号(2019年4月発行)

今月の臨床 いまさら聞けない 体外受精法と胚培養の基礎知識

73巻2号(2019年3月発行)

今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望

73巻1号(2019年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 エキスパートに学ぶ 女性骨盤底疾患のすべて

72巻12号(2018年12月発行)

今月の臨床 女性のアンチエイジング─老化のメカニズムから予防・対処法まで

72巻11号(2018年11月発行)

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

72巻10号(2018年10月発行)

今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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