icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻3号

2006年03月発行

文献概要

連載 産婦人科エコー 何を考えるか?・3

胎児腹部の嚢胞像

著者: 竹内久彌1

所属機関: 1愛和病院画像診断部

ページ範囲:P.231 - P.233

文献購入ページに移動
妊娠22週の妊娠中期超音波スクリーニングで胎児腹部のほぼ中央に明らかな嚢胞像が発見された症例である.

 嚢胞の発生源を推定すると,胃胞とほぼ平行に肝臓から出て下方が腸管に囲まれている嚢胞の位置と形,および嚢胞の頭方に嚢胞内に入る形の管腔構造(矢印)がみられることなどから,肝を発生源とした嚢胞構造であろうと推定できる.嚢胞位置がほとんど腹腔内中央にあることを考慮すれば,これが胆道に関連した嚢胞と考えて矛盾はない.この例で胆嚢を別に描出できなかったのは,検査時の妊娠週数からみてやむを得ない.ただ,この嚢胞を胆嚢自体と関連付けるには,その形態が合致しない.したがって,胆管に関連して発生した嚢胞と考えた.

参考文献

1)Todani T, Watanabe Y, Naruse M, et al : Congenital bile duct cysts : classification, operative procedure and review of thirty seven cases including cancer arising in choledochal cyst. Am J Surg 134 : 263─269, 1977
2)Matsubara H, Oya N, Suzuki Y, et al : Is it possible to differentiate between choledochal cyst and congenital biliary atresia(Type I cyst)by antenatal ultrasonography?Fetal Diagn Ther 12 : 306─308, 1997
3)Redkar R, Davenport M, Howard ER : Antenatal diagnosis of congenital anomalies of the biliary tract. J Pedatr Surg 33 : 700─704, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?