文献詳細
今月の臨床 女性診療科外来プラクティス
I 主訴と好発疾患
文献概要
1 主訴と好発疾患
外来診療で患者の訴えを聞くことが重要なのはいうまでもないが,症候の詳細を聴取するに当たって,想定される疾患,あるいは可能性のある疾患が頭のなかに浮かんでいなければよい問診とはいえない.有能な医師の問診には1つ1つに意味がある.例えば,“不正性器出血”の主訴に対して,出血時期と月経との関係を問うのはホルモン異常による出血の可能性を念頭に置いてのことであり,性交時の出血の有無を問うのは頸癌などの頸部病変の可能性を考えてのことである.したがって,主訴から想定すべき重要な疾患が抜けることなく整理されて頭のなかに入っていなければならない.詳しい問診によって,それらのなかから可能性のより高い疾患を選別し,手順よく診察と検査を進めるのが外来診療の基本である.
本稿では症候ごとに鑑別すべき疾患を一覧表に示すが,実地臨床の場では,誤診や見逃しが大事に至る悪性疾患と救急疾患は,頻度にとらわれず常に鑑別の第一に考えておくべきであることを付記する.
外来診療で患者の訴えを聞くことが重要なのはいうまでもないが,症候の詳細を聴取するに当たって,想定される疾患,あるいは可能性のある疾患が頭のなかに浮かんでいなければよい問診とはいえない.有能な医師の問診には1つ1つに意味がある.例えば,“不正性器出血”の主訴に対して,出血時期と月経との関係を問うのはホルモン異常による出血の可能性を念頭に置いてのことであり,性交時の出血の有無を問うのは頸癌などの頸部病変の可能性を考えてのことである.したがって,主訴から想定すべき重要な疾患が抜けることなく整理されて頭のなかに入っていなければならない.詳しい問診によって,それらのなかから可能性のより高い疾患を選別し,手順よく診察と検査を進めるのが外来診療の基本である.
本稿では症候ごとに鑑別すべき疾患を一覧表に示すが,実地臨床の場では,誤診や見逃しが大事に至る悪性疾患と救急疾患は,頻度にとらわれず常に鑑別の第一に考えておくべきであることを付記する.
参考文献
1)丸尾 猛,岡井 崇(編): 標準産科婦人科学.第3版.pp6─12,医学書院,東京,2004
掲載誌情報