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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻4号

2006年04月発行

今月の臨床 女性診療科外来プラクティス

VI 更年期・老年期外来

4. 女性内科的疾患 4) 骨粗鬆症

著者: 太田博明1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科

ページ範囲:P.595 - P.599

文献概要

1 骨粗鬆症の定義

 骨粗鬆症の明確な定義は,1993年に香港で開かれた世界骨粗鬆症会議にて,骨折がなくても診断が可能であることに初めてコンセンサス1)が得られ,1994年,WHO2)により「低骨量と骨の微細構造の劣化が特徴的で,その結果,骨の脆弱性が増加し,骨折を起こしやすい全身性の骨疾患」と採択された.簡単にいえば骨が病的に弱くなり,軽微な外力が加わっただけで骨折を起こしてしまう状態のことをいう.

 さらに,病態がより明らかにされたことにより,2000年にNIH(米国国立衛生研究所)コンセンサス会議3)において,骨質の劣化に関して具体的な定義が呈示された.すなわち,「骨粗鬆症とは骨密度が著明に低下し,骨折リスクが増大する骨疾患であり,骨強度とは骨密度と骨質の両側面を総合的に反映して現れるものである」と採択された.主な変更点は,骨強度は骨密度だけでなく,骨質にも影響されると明記されたことである.この骨質を規定するものとして,図1が提唱されている.

参考文献

1)Consensus Development Conference : Diagnosis, prophylaxis, and treatment of osteoporosis. Am J Med 94 : 646─650, 1993
2)The WHO Study Group : Assessment of fracture risk and its application to screening for postmenopausal oseteoporosis. WHO Technical Report Series, 843, Geneva, World Health Organization, 1994
3)NIH Consensus Development Panel on Osteoporosis. JAMA 285 : 785─795, 2001
4)折茂 肇,他 : 日本骨代謝学会骨粗鬆症診断基準検討委員会 : 原発性骨粗鬆症の診断基準.日骨代謝誌13 : 113─118, 1995
5)折茂 肇,杉岡洋一,福永仁夫,他 : 原発性骨粗鬆症の診断基準(1996年改訂版).日骨代謝誌14 : 219─233, 1997
6)折茂 肇,林 泰史,福永仁夫,他 : 原発性骨粗鬆症の診断基準(2000年度改訂版).日骨代謝誌18 : 76─82, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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