文献詳細
今月の臨床 性差医療
性差医療と薬剤
文献概要
はじめに
最近のEBM指向の研究から,本来の生理機能や加齢変化にも性差があり,同一疾患であっても男女ではその病態が異なることが次第に明らかとなってきた1).また,医薬品の体内動態や作用においても性差があるというさまざまな知見が報告されてきた2, 3).このようなことから,疾患や薬効・副作用における性差は,処方薬剤にも大きく影響することが予想される.しかしながら,医薬品使用における性差の実態について詳述した報告はほとんどない.そこで,医療機関から処方されている医薬品の使用頻度における性差の実態について調査・解析を行ったので紹介する.
最近のEBM指向の研究から,本来の生理機能や加齢変化にも性差があり,同一疾患であっても男女ではその病態が異なることが次第に明らかとなってきた1).また,医薬品の体内動態や作用においても性差があるというさまざまな知見が報告されてきた2, 3).このようなことから,疾患や薬効・副作用における性差は,処方薬剤にも大きく影響することが予想される.しかしながら,医薬品使用における性差の実態について詳述した報告はほとんどない.そこで,医療機関から処方されている医薬品の使用頻度における性差の実態について調査・解析を行ったので紹介する.
参考文献
1)天野恵子 : 知っておくべき新しい診療理念 性差医療.日本医師会雑誌130 : 1612─1613, 2003
2)Anthony M, Berg MJ : Biologic and molecular mechanisms for sex differences in pharmacokinetics, pharmacodynamics, and pharmacogenetics : part I. Women's Health Gend Based Med 11 : 601─615, 2002
3)Anthony M, Berg MJ : Biologic and molecular mechanisms for sex differences in pharmacokinetics, pharmacodynamics, and pharmacogentics part ・. J Women's Health Gend Based Med 11 : 617─629, 2002
4)松本佳代子 : 統計指標を読む.性差と医療 1 : 75─77,2004
5)Pittrow D, Kirch W, Bramlage P, et al : Patterns of antihypertensive drug utilization in primary care. Eur J Clin Pharmacol 60 : 135─142, 2004
6)Os I, Bratland B, Dahlof B, et al : Female preponderance for lisinopril─induced cough in hypertension. Am J Hypertens 7 : 1012─1015, 1994
7)Roe CM, McNamara AM, Motheral BR : Gender─ and age─related prescription drug use patterns. Ann Pharmacother 36 : 30─39, 2002
掲載誌情報