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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻6号

2006年06月発行

文献概要

連載 症例

月経期にイレウスで発症した回腸子宮内膜症の1例

著者: 林嘉信1 原田貴代1 大塚未砂子1 安蘓正和2 金城満3

所属機関: 1新日鐵八幡記念病院産婦人科 2同 外科 3同 病理部

ページ範囲:P.921 - P.924

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はじめに

 異所性子宮内膜が腸管に存在する場合は腸管子宮内膜症と呼ばれるが,その発生部位は直腸,S状結腸が圧倒的に多く,小腸は少なく7%程度と報告されている1).また,腸管子宮内膜症の報告は,本邦では欧米と比べて比較的少ないといわれている2).筆者が知る限り,本邦では腸閉塞を発症した回腸子宮内膜症として,現在までに自験例を含めて30例が文献的に報告されている3~6).今回われわれは,月経期間中に腸閉塞で発症した回腸子宮内膜症の1例を経験したので報告する.

参考文献

1)Earnest DL, Hixson LJ : Gastrointestinal Disease : Pathophysiology, Diagnosis, Management. pp1537─1570, WB Saunders, Philadelphia, 1993
2)板橋道朗 : 子宮内膜症と消化管疾患.日医雑誌134 : 404─406, 2005
3)三松謙司,宇賀神若人,小出浩史,他 : 腸閉塞にて発症した回腸子宮内膜症の2例.日本臨床外科学会雑誌63 : 1541─1545, 2002
4)丸山典子,糸賀知子,北出真理,他 : イレウスで発症した腸管子宮内膜症の1例.エンドメトリオーシス研究会会誌23 : 130─133, 2002
5)大森浩明,旭 博史,入野田崇,他 : イレウスで発症し,術中心停止をきたした回腸子内膜症の1例.日本腹部救急医学会雑誌23 : 789─793, 2003
6)楠木 泉,北脇 城,北岡由衣,他 : 月経随伴性のイレウスにより術前診断し,腹腔鏡下手術で治療しえた小腸子宮内膜症の1例とその免疫組織化学的検討.エンドメトリオーシス研究会会誌25 : 114─116, 2004
7)杉並 洋 : 子宮内膜症の発症機序.産科と婦人科72 : 285─293, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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