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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻7号

2006年07月発行

文献概要

今月の臨床 妊娠のリスク評価

妊娠・分娩歴とリスク評価

著者: 竹田省1 江良澄子1 浅岡健太郎1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター

ページ範囲:P.965 - P.969

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はじめに

 妊娠のリスク評価は,既往妊娠・分娩歴,既往症・合併症の聴取からはじまる.特にpoor obstetric historyを持つ妊婦は十分に注意して管理する必要がある.前回死産,児奇形,流早産,子宮内胎児発育遅延(IUGR),巨大児出産だけでなく,妊娠高血圧症候群や常位胎盤早期剥離合併など妊娠・分娩異常の詳細な病歴の聴取は,今回の妊娠・分娩のリスク評価に重要であり,それに基づく厳重な管理,準備により,より安全に分娩を迎えることが可能となる.また帝王切開既往分娩の場合,その適応のいかんによっては今回の妊娠分・娩管理方針にも影響する.

 既往妊娠・分娩歴が今回の妊娠・分娩に及ぼす影響について述べるとともに,管理上の注意点につき解説する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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