icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻7号

2006年07月発行

文献概要

今月の臨床 妊娠のリスク評価 妊娠経過の異常とリスク評価

8. 感染症

著者: 種村光代1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科生殖遺伝医学講座生殖発生医学分野

ページ範囲:P.1002 - P.1005

文献購入ページに移動
はじめに

 妊娠の管理は感染症との戦いである.妊婦は免疫寛容なうえ,胎児の存在を考慮すると選択できる治療法が限られる.一方,胎児は免疫系の発育途上にあり,いったん感染が成立すると成人の感染には認められないような重篤な後障害を示す場合がある.妊娠中の感染症と一口にいっても,母体そのものに多大な影響を与える感染症以外に,催奇形性の点で問題となるTORCH,早産の原因として注目される絨毛膜羊膜炎など多岐にわたり,すべてを網羅することは誌面の都合上無理がある.本稿では,学会などから診療指針が示されていたり,検査や治療方法,その効果が明らかとなってきている感染症を取り上げて解説する.

参考文献

1)厚生労働科学研究「風疹流行にともなう母児感染の予防対策構築に関する研究」班長 : 平原史樹 : 風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言,2004
2)Tanemura M, Suzumori K, Yagami Y, et al : Diagnosis of fetal rubella infection with reverse transcription and nested polymerase chain reaction ; A study of 34 cases diagnosed in fetuses. Am J Obstet Gynecol 174 : 578─582, 1996
3)中野貴司,神谷 齊 : 妊娠中の感染症の取り扱い─水痘.産婦人科の実際50 : 1107─1114,2001
4)加藤賢朗,川名 尚 : 水痘帯状疱疹ウイルス.周産期医学27 : 343─347,1997
5)妊婦健診時のHIV抗体検査推奨に関するお知らせ.日産婦誌54(4),2002
6)石渡 勇,石渡千恵子,岡根夏美 : HIV感染妊婦の現状と周産期管理.周産期医学27 : 377─388,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?