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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻8号

2006年08月発行

雑誌目次

今月の臨床 婦人科がんを見逃さないために 婦人科がんを見逃さない診療

1. 問診,外診,内診,直腸診の基本

著者: 森山伸吾 ,   石丸忠之

ページ範囲:P.1046 - P.1049

はじめに

 婦人科疾患の診療に当たり最も基本となるのが問診であり,十分な問診があって正確な外診,腟鏡診,内診および直腸診を行うことができる.そして,疾患によってはこれだけである程度診断できることも少なくない.本稿では,最も基本的なこれらの診察法について,婦人科がんを見逃さないための留意点を含めて述べることとする.

2. 細胞診,組織診の採取法

著者: 寺井義人 ,   植田政嗣

ページ範囲:P.1050 - P.1053

はじめに

 近年の初交年齢の若年化や若年者の性行為の活発・多様化により,子宮頸部病変の若年化傾向が顕著になってきた.また,集団検診や定期検診の普及に伴って進行子宮頸癌が減少した反面,食生活様式の欧米化などに伴い子宮体癌の割合も増加しつつある.これら婦人科がんを見逃さないためには早期発見,早期診断が欠かせず,そのためには病巣部の細胞診,組織診が不可欠となってくる.そこで,本稿では,子宮頸癌と子宮体癌の診断にあたり,適切に細胞診,組織診を行うための注意点や方法について述べたい.

3. 腫瘍マーカーの選び方と読み方

著者: 平林啓 ,   沼文隆

ページ範囲:P.1054 - P.1057

はじめに

 腫瘍マーカーとは癌の存在を示す生体産物と定義されるが,そのなかには腫瘍で産生される物質や腫瘍に対する宿主の生体反応産物が含まれる.各種婦人科癌における腫瘍マーカーの意義は腫瘍の進展度や病勢の把握,治療効果の判定,再発のモニタリングにあり,実際に臨床の場で広く用いられている.現在測定できる腫瘍マーカーは数多く存在するが,医療経済的な面からも効率的なマーカーの選択が必要となってきている.本稿では各疾患に用いる腫瘍マーカーの選び方とその解釈について概説する.

4. 画像診断法の使い分け

著者: 赤松信雄

ページ範囲:P.1059 - P.1063

はじめに

 われわれが婦人科がんを見逃さないために行っている検査とそのステップを以下に解説する.なお,画像診断以降に組織診が予定されるのは正確な画像情報を得るためである.アンダーラインの検査が必須な検査であるが,2重アンダーラインの検査はほかの部位のがんをスクリーニングするためにアンダーラインの検査結果を待たずに行われる.

婦人科がん早期診断の要点・問題点

1. 子宮頸部悪性腺腫を見逃さないために

著者: 梅咲直彦 ,   田中哲二 ,   田中和東

ページ範囲:P.1064 - P.1067

はじめに

 Adenoma malignumはextremely well differentiated adenocarcinoma, minimal deviation adenocarcinomaとも呼ばれ,子宮頸部の高分化型腺腫の一亜型である.組織的には構造異型を伴う頸管腺が子宮頸部の深部まで浸潤像を示すものの,構成している細胞の異型性がきわめて乏しく,その結果細胞診などで異常を示すことが少なく診断に苦慮することが多い疾患である.また,子宮頸部腺癌の3%程度の発症頻度で,稀な疾患である.

 その予後は加来1)の文献的考察では2年の無病生存率が31%に過ぎず,通常の子宮頸部腺癌に比較し不良と報告している.一方,Hiraiら2)は5年無病生存率は83%と報告し,従来予後不良とされてきたのは早期発見が困難なためで,早期例では予後は良好と報告しており,予後成績に関しては一致した見解が得られていない.

 治療法としては広汎性子宮全摘術が行われる.また,臨床的特徴としてはPeutz─Jeghers syndrome(PJS)が約10%合併することが報告されている.

 本稿では,子宮頸部悪性腺腫を見逃さないための診断法について記述する.

2. CINの管理法

著者: 毎田佳子 ,   井上正樹

ページ範囲:P.1069 - P.1073

はじめに

 がん検診の目的はがん死亡率を下げることにある.子宮頸癌検診としての頸部細胞診は子宮頸癌の罹患率・死亡率の減少に大きく貢献し,その有効性が確立している.病変の早期発見により多くの患者が救われる一方で,検診を受けていたにもかかわらず浸潤癌に至る症例があるのも事実である.本稿ではCIN(cervical intraepithelial neoplasia)を中心に,前癌段階にある頸部病変の取り扱いおよび管理上の注意点について概説する.

3. 子宮体癌

著者: 那波明宏 ,   吉川史隆

ページ範囲:P.1074 - P.1077

はじめに

 子宮体癌は子宮内膜から発生する悪性腫瘍であり,全世界で年間142,000名の女性が罹患し,42,000名が死亡している1).特に北アメリカ,ヨーロッパなどの先進国では乳癌,肺癌,大腸癌につぐ女性における癌死因別疾患の第4位となっている1).近年,本邦においても子宮体癌は著しい増加傾向にあり,1999年の日本産科婦人科学会報告では治療患者数において体癌2,652名であるのに対して頸癌3,835名であり,子宮癌の41%を占めるに至った.今後も罹患数は激増することが予想されており,2015年の推定罹患数は6,623名である2)

 本稿では,子宮体癌の早期診断のポイントとピットフォールにつき概説したい.

4. 卵巣癌

著者: 利部正裕 ,   杉山徹

ページ範囲:P.1078 - P.1081

はじめに

 卵巣癌はsilent killerと称されるように初発症状に乏しい.事実,初回診断時に進行癌が約60%以上を占める.5年生存率はI期癌では90%を超えているが,Ⅲ/Ⅳ期は30%前後であり,婦人科癌のなかで卵巣癌は予後が最も不良である.治療法は進歩しているが,早期発見に勝ることはできない.卵巣癌罹患のリスクグループを疫学より知り,症状を振り返り考えてみることで次回からの早期発見へつなげる観点から,また婦人科を訪れた患者に対して卵巣腫瘤を見逃さないコツ,腫瘤が存在すればいかに癌を鑑別するかの観点から,特に最近話題の子宮内膜症からの癌化を含めて考えてみる.さらに,近い将来,血清プロテオミクスでの超早期診断が可能になるであろう.

5. 卵管癌

著者: 三宅貴仁 ,   榎本隆之

ページ範囲:P.1082 - P.1087

はじめに

 卵管癌は婦人科腫瘍のなかでも非常に稀な疾患であり,その頻度は全婦人科腫瘍の約0.3%といわれている.組織学的な形態,特徴から卵管癌は卵巣癌と非常に類似しており,その診断,治療は卵巣癌と同様に行われる.大半は上皮由来であるが,肉腫を認めたという報告もある.

6. 子宮肉腫

著者: 小西郁生 ,   大平哲史 ,   伊東和子

ページ範囲:P.1089 - P.1095

はじめに

 子宮に発生する肉腫には,頻度の高い順に,癌肉腫(carcinosarcoma),平滑筋肉腫(leiomyosarcoma),および内膜間質肉腫(endometrial stromal sarcoma)がある.このうち癌肉腫はほとんどが閉経後に性器出血をきたし,内膜掻爬組織診を受けて悪性の診断がなされるため,見逃されることはない.一方,平滑筋肉腫および内膜間質肉腫は臨床的に「子宮筋腫」と診断され,経過観察や手術以外のインターベンショナルな治療を受け,しばらく経過した後に肉腫と判明することも多い.すなわち,見逃されやすい子宮肉腫として,平滑筋肉腫と内膜間質肉腫が重要であり,これらを見逃さないためには臨床所見とMRI所見に注目する必要がある1)

7. 外陰・腟癌

著者: 丸山章子 ,   平川俊夫

ページ範囲:P.1097 - P.1099

はじめに

 外陰に発生する悪性腫瘍は本邦では稀であり,婦人生殖器癌のうち外陰癌の占める割合は3~5%であると報告されている1,2).外陰癌の発生年齢はほかの婦人科悪性腫瘍と比較して高いのが特徴であり,その発生率は加齢とともに上昇するとされている.また,実際の日常臨床において,年齢を問わず外陰部の症状を訴える患者を診察する機会も多く,外陰の腫瘍性病変を見逃さないことが大切である.外陰の腫瘍性病変の頻度は前述したように高くはないものの,前癌病変を含めて臨床的,病理学的にも重要な疾患が少なくない.腫瘍性病変の診断は組織学的診断によるが,生検を行うか否かの判断に当たっては肉眼的所見の理解がきわめて重要である.そこで本稿では,特に肉眼的所見に焦点を当てるために,外陰部病変をその主たる色調から白色,赤色,および黒色病変と3つに分け,各々においてのがんの早期診断の要点を述べる.

 一方,腟に原発する悪性腫瘍とその関連病変は,外陰に比してその発生頻度はさらに低いとされるが,近年HPV感染との関連の重要性が指摘されており,子宮頸部上皮内病変を伴ってみつかることもある.腟扁平上皮癌の予後は,臨床進行期,すなわち初診時の腫瘍の広がりに最も相関性が高いといわれており,これを見逃さないことが重要である.これについても要点を述べる.

8. 絨毛癌

著者: 片渕秀隆 ,   田代浩徳

ページ範囲:P.1101 - P.1105

はじめに

 絨毛癌は妊娠性と非妊娠性に大別される.前者は経妊女性または妊娠女性に発生し,子宮絨毛癌,子宮外絨毛癌,胎盤絨毛癌に分けられる.後者は未経妊女性や男性にも発生し,卵巣や精巣の胚細胞由来の絨毛癌,胃癌に代表される癌腫の分化異常による絨毛癌に分けられる1)

 絨毛癌の大部分を占める妊娠性絨毛癌は,胎盤絨毛癌を除き,過去の妊娠の絨毛細胞を発生母細胞とする.妊卵の着床部に絨毛細胞が残存することによって絨毛癌が発生する以外に,この細胞が着床部の血管壁を置換し血中に入る性格から,他臓器にとどまり絨毛癌に至る場合がある.また,絨毛癌はしばしば肺や脳の遠隔臓器に転移する.本稿では,この妊娠性絨毛癌に焦点を絞り,早期診断の要点ならびに問題点について述べる.

9. 転移性生殖器癌―性器外原発転移性生殖器腫瘍を中心に

著者: 小宮山慎一 ,   宇田川康博

ページ範囲:P.1106 - P.1109

はじめに

 転移性婦人科生殖器癌は,転移性肺癌や転移性肝癌などと比べその頻度は低い.しかしKrukenberg腫瘍のように原発臓器の診断以前に指摘される場合や,先行する他臓器癌の経過観察中に生殖器転移が発見される場合もある.婦人科医が他臓器癌の遠隔転移を発見する機会は決して稀有とはいえない.

 ここでは主な転移性生殖器腫瘍,特に性器外を原発とする転移性卵巣腫瘍,転移性子宮腫瘍,転移性腟腫瘍に注目し,それらの臨床病理学的な特徴について概説し,併せて早期発見の要点と問題点を述べる.

連載 産婦人科エコー 何を考えるか?・7

胎児肝内の嚢胞像─肝嚢胞と臍静脈の静脈瘤

著者: 竹内久彌

ページ範囲:P.1041 - P.1044

 妊娠32週の定期健診の際に胎児発育度チェックの目的で行われた超音波検査で,肝内に径1×1.5×1.7cmの嚢胞像(矢印)が発見された.それほど大きな嚢胞ではなく,発生部位が肝内でも横隔膜ドームに近い辺縁にあって腹部計測断面をかなりはずれた位置であったため,それまで2週間隔で行われてきた定期健診の際の超音波検査では発見されることがなかったものと考えられる.

 肝内外には明らかな嚢胞構造が普通に観察されるため,それまで描出されていても不審を持たれなかった可能性もある.肝に関係した嚢胞構造としては,肝に接する肝外には胃胞,拡張腎盂,腸管などがあるが,その形態と位置を正しく把握できれば読影にそれほど困難はないはずである.肝内にあらわれる嚢胞像のうち,血管像としては臍静脈・門脈系と肝静脈が描出されるはずであり,特に臍静脈はかなりの太さを持つため断面の取り方によっては嚢胞と読影されることも起こり得る.本例では嚢胞像が孤立性であることから形態的にも血管構造は否定できたが,パワードプラにより嚢胞内に血流が描出されないことを示したのが本図である.もう1つの肝内嚢胞は胆嚢であるが,その描出位置と特徴的な形態から,これも読影に困難はない.本例はそれらのいずれでもない単純性嚢胞であることから肝嚢胞(liver cyst)を考えることができた.

Estrogen Series 71

局所的に進行した前立腺癌におけるLH─RHアナログの使用

著者: 矢沢珪二郎

ページ範囲:P.1105 - P.1105

 今回はエストロゲンとはあまり関係がないが,熟年の男性には関心のある前立腺癌におけるLH─RHアナログが血清テストステロン濃度に及ぼす影響についてご紹介したい.以下は抄訳である.

 進行した前立腺癌に対して一般に使用されるLH─RHアナログにはleuprolide acetateおよびgoserelin acetateがあるが,この著者らは,これらのLH─RHアナログにより睾丸を除去した場合と同等の血清テストステロン濃度(castration level of serum testosterone)が得られるかどうかを試してみた.これは,ノルウェイの著者らによるcross─sectional後方視非ランダム化研究である.

教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・13

くも膜下出血合併妊娠の1例

著者: 津田弘之

ページ範囲:P.1111 - P.1114

症 例

 患 者 : 26歳,1経妊・1経産.職業 ; 主婦

 主 訴 : 頭痛

 現病歴 : 他院にて妊娠フォロー中であった.受診時は妊娠13週で,それまでの妊娠経過に特記すべき異常はなかった.悪阻症状がときどきあり,トイレで嘔吐しそうになってうつむいたときに突然の頭痛が出現した.痛みがおさまらないため救急外来を受診した.

 なお,痛みは今までに経験のないもので,殴られたときのようであったとのことであった.めまいや前兆症状などはなかった.

 既往歴・家族歴 : 特記すべきものなし.

 現 症 : 意識レベル正常,血圧120/80mmHg,脈拍72/分,呼吸数16/分,体温36.8℃,SpO2 100%であった.瞳孔に左右差はなく正常で,項部硬直なし.そのほか脳神経学的所見に異常はなし.四肢の運動・知覚などの異常所見もなし.エコー上,大横径(biparietal diameter : BPD)は 26mmで,妊娠13週4日相当であった.胎児心拍も認められ,異常所見は認めなかった.血液検査データは,WBC 8,000/μml,CRP 0.1mg/dlと炎症反応を認めず,そのほかのデータもすべて正常範囲内であった.

イラストレイテッド産婦人科小手術・11

―【婦人科小手術】―子宮内膜試験掻爬術

著者: 新井ゆう子 ,   西田正人

ページ範囲:P.1118 - P.1121

 1  はじめに

 子宮体癌は年々増加傾向にあり,子宮癌の30%以上を占めるほどになっている.これに伴いその前癌病変として子宮内膜増殖症も注目されており,これらの病変の診断は重要性を増してきているといえる.

 従来より,子宮体部病変の診断は,子宮内膜細胞診,組織診という手順で行われているが,組織診による病理診断があってはじめて治療に進めるわけであるから,病巣から正しく組織を採取することが大切である.組織の採取は子宮内膜試験掻爬により行われるが,これには,いわゆるひとかき掻爬と全面掻爬が含まれる.ここでは,この子宮内膜試験掻爬について述べることにする.

病院めぐり

板橋中央総合病院

著者: 森田豊

ページ範囲:P.1122 - P.1122

 板橋中央総合病院は昭和31年に開設され,「まず愛し,そして愛される病院」を理念としており,現在579床の急性期疾患対応の病院です(http : //www.ims.gr.jp/itabashi.hp/).

 当院の産婦人科は,過去約40年間で3万5,000件あまりの分娩件数を扱っており,特に最近の少子化時代にもかかわらず年間1,100件以上の分娩を取り扱い,分娩数も増加傾向にあります(http : // www007.upp.so─net.ne.jp/morita/).産科領域においては,リアルタイム三次元超音波専門外来が国内の各種テレビ番組やメディアに何度も注目されました.さらに,分娩・出産の際の入退院に際し「かるがも号」という車両での無料送迎サービス,分娩時の臍帯血を貯血保存し児の将来の血液疾患に備えるという臍帯血私的バンクの実施,そして胎児期,新生児,乳児期などの親子共育プログラム,ベビーマッサージなども提供し,オリジナリティーに富む産科診療サービスに努めています.

ベルランド総合病院

著者: 井上泰英

ページ範囲:P.1123 - P.1123

 当院の運営主体である特別・特定医療法人生長会は,1955年に和泉市に府中病院を開設しました.その後,1982年に堺市泉北地区にベルランド総合病院を開設し,療養型病院や看護助産専門学校など医療関連施設を次々に創設し,2005年に法人創設50周年を迎えました.現在は30以上にも及ぶ関連施設を持つ病院グループを形成し,地域の保健・医療・福祉を担う総合医療機関となりました.

 現在,当院は地域中核病院として急性期病床522床を有し,産婦人科は病床数35床・陣痛室5床・LDR 2床を擁し,産婦人科医師5名,外来・病棟スタッフは全員が助産師で50名おり,さらにNICU 9床・GCU 10床を持つ小児科(医師6名)と協力して周産期センターを機能させています.

症例

術前診断で良性と判断し腹腔鏡下手術を施行した卵巣悪性腫瘍の2例

著者: 津田浩史 ,   西村貞子 ,   真鍋隆夫 ,   井上健 ,   裵英洙 ,   赤土みゆき ,   康文豪 ,   深山雅人 ,   梶谷耕二 ,   伊庭敬子 ,   徳山治 ,   張良美 ,   山本浩子 ,   川村直樹

ページ範囲:P.1127 - P.1131

はじめに

 近年,内視鏡周辺機器や手術法の進歩により,従来開腹で実施されていた手術が腹腔鏡下にて施行されることが多くなった.その対象は多岐にわたるが,特に良性卵巣腫瘍は絶好の適応疾患になると考えられる.しかしながら,良性卵巣腫瘍の腹腔鏡下手術の実施に際しては,術前の良性・悪性の鑑別が非常に重要になる.被膜破綻を認めない初期卵巣悪性腫瘍に対して腹腔鏡下手術を実施した場合,被膜破綻による悪性細胞の腹腔内撒布を引き起こしかねず,初期卵巣悪性腫瘍に対しては禁忌とされている1,2).卵巣腫瘍の良性・悪性の鑑別は,腫瘍マーカーおよび画像診断(超音波断層法,MRI,CT)に基づいて実施されるが,初期病変の場合は必ずしも容易ではない.

 今回われわれは,術前診断は良性であったにもかかわらず,境界悪性腫瘍および卵巣甲状腺癌と診断された症例を経験したので報告する.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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