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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科60巻8号

2006年08月発行

文献概要

今月の臨床 婦人科がんを見逃さないために 婦人科がん早期診断の要点・問題点

6. 子宮肉腫

著者: 小西郁生1 大平哲史1 伊東和子1

所属機関: 1信州大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1089 - P.1095

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はじめに

 子宮に発生する肉腫には,頻度の高い順に,癌肉腫(carcinosarcoma),平滑筋肉腫(leiomyosarcoma),および内膜間質肉腫(endometrial stromal sarcoma)がある.このうち癌肉腫はほとんどが閉経後に性器出血をきたし,内膜掻爬組織診を受けて悪性の診断がなされるため,見逃されることはない.一方,平滑筋肉腫および内膜間質肉腫は臨床的に「子宮筋腫」と診断され,経過観察や手術以外のインターベンショナルな治療を受け,しばらく経過した後に肉腫と判明することも多い.すなわち,見逃されやすい子宮肉腫として,平滑筋肉腫と内膜間質肉腫が重要であり,これらを見逃さないためには臨床所見とMRI所見に注目する必要がある1)

参考文献

1)小西郁生 : 治療法の個別化とインフォームド・コンセント.図でみる子宮筋腫─その診断から治療まで.東京,メジカルビュー社,pp1─11, 1996
2)Konishi I, Kaku T, Toki T, et al : An Atlas of MRI with Histopathology on Smooth Muscle Tumors of the Uterus.(Fujii S, ed).東京,メジカルビュー社,1999
3)大平哲史,伊東和子,小西郁生 : 子宮筋腫の診断─子宮肉腫との鑑別.Hormone Frontier in Gynecology10 : 149─156, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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