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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻1号

2007年01月発行

雑誌目次

今月の臨床 高年妊娠-母児ケアのポイント

高年妊娠の増加とその社会的背景

著者: 本多洋

ページ範囲:P.9 - P.13

はじめに

 高年妊娠とは何歳以上のものをいうのか判然としていないが,出産する女性の年齢が高くなっていることはまぎれもない事実である.このことは母の年齢別出生率の推移をみれば明らかで,20~34歳までの出生率が減少しているのに対して,35歳以上の出生率は年々増加している(表1)1)

 これは一般産科臨床にももちろん影響し,高年齢のハイリスク妊娠に該当するケースが数多くみられるようになった.その結果,周産期総合医療センターの需要が増し,産科の個人施設での分娩入院の希望者も減り,医療過誤などの訴えや人手不足もあって産科の閉院が相次ぎ,現在わが国の周産期医療は崩壊の危機に瀕しているといって過言ではない.このような状況をもたらした理由について,わが国の社会状態がどうかかわっているかを考えてみたい.

高年妊娠の産科リスク

著者: 藤森敬也 ,   園田みゆき ,   佐藤章

ページ範囲:P.14 - P.19

はじめに

 近年,欧米をはじめ日本においても,出産年齢が高くなる傾向が著しい.日本においては1970年と2000年を比較すると,初めての子供を出産する年齢が25.6歳から28.0歳へと上昇してきている.高年出産とは,世界産婦人科連合(FIGO)では,初産婦が35歳以上,経産婦では40歳以上と定義している.日本においては,高年初産婦を35歳以上の初産婦とすると定義しているが,経産婦での定義はなされていない.

 日本において35歳以上で出産した全出産数との割合は,1960~1980年では4.2~5.8%程度であったが,1990年では8.6%となり,以後増加をつづけ2003年では14.0%となった.40歳以上の高年出産をみると,1970年には全出産数との割合では0.5%であったものが,2003年では1.6%と約3倍増加してきている1).高年出産は染色体異常や多胎が多いこと,帝王切開(以下,帝切と略す)分娩が多いことが知られている.

リスクへの対応とケアのポイント

1.胎児疾患

著者: 種村光代

ページ範囲:P.20 - P.23

はじめに

 高年妊娠とは,1990年に日本産科婦人科学会で「35歳以上の初産婦を高年初産婦とする」と統一された.初産か経産かにかかわらず,「35歳以上」「胎児疾患」というキーワードで最初に浮かぶのは,21トリソミーをはじめとする胎児の染色体異常であろう.

 最近では,結婚,妊娠,出産年齢の上昇に伴い35歳以上の妊産婦が増加している.特に初産婦では妊娠や出産への不安も強く,「高年妊娠だから」ということで胎児の疾患について相談を受けることもめずらしくはない.

2.高血圧

著者: 正岡直樹 ,   曽根君恵 ,   山本樹生

ページ範囲:P.25 - P.29

はじめに

 近年,女性の社会進出に伴う晩婚化や生殖補助医療技術の進歩を背景に,高年妊娠は増加している.高年妊娠は肥満,慢性高血圧,糖尿病などの合併が多いほか,異常妊娠(流産,妊娠高血圧症候群,妊娠糖尿病,胎児異常など),異常分娩(早産,遷延分娩,胎児機能不全,急速遂娩,第 期異常出血など)の頻度が高く,周産期管理上問題となることの多いハイリスク妊娠である1, 2).本稿では,高年妊娠に伴う偶発合併症としての高血圧と妊娠高血圧症候群について述べる.

3.糖尿病

著者: 芦谷尚子 ,   山崎峰夫

ページ範囲:P.31 - P.35

はじめに

 糖尿病罹患数は世界的にみて増加の一途をたどっている.日本でもその傾向は同じで,厚生労働省平成14年度糖尿病実態調査結果によると,糖尿病患者数は糖尿病の強く疑われる人が740万人,糖尿病の可能性を否定できない人を合わせると約1,620万人を超えるとされている.その原因としては,食生活の欧米化に伴う肥満や運動不足などの生活習慣によるインスリン抵抗性増大が第一に挙げられる.このような生活習慣の身体への負荷は長く続くほど病態を発症しやすい.つまり,わが国の糖尿病罹患者増加は社会の高齢化をも反映している.

4.子宮筋腫

著者: 岩澤有希 ,   菊池昭彦

ページ範囲:P.36 - P.39

はじめに

 近年,晩婚化,出産年齢の高齢化に伴い子宮筋腫合併妊娠を管理する機会が増えてきている.子宮筋腫は性成熟期の女性に最も多い良性腫瘍の1つで,生殖年齢の女性の約20~30%に認められ,妊娠に合併する頻度は約0.1~12.5%とされている1).子宮筋腫合併妊娠では流早産,疼痛,前期破水,子宮内胎児発育遅延,胎位異常,産後出血の頻度が高くなるといわれており,厳重な妊娠分娩管理が必要になる.また妊婦に対しても,妊娠経過の予想について十分に説明しておく必要がある.

5.前置胎盤

著者: 市塚清健 ,   長谷川潤一 ,   松岡隆 ,   大槻克文 ,   下平和久 ,   関沢明彦 ,   岡井崇

ページ範囲:P.41 - P.45

はじめに

 前置胎盤は経腟超音波の普及によりほとんどの症例で妊娠中の診断が可能となってきた.本疾患では,子宮下部の収縮不良に伴う胎盤剥離面からの多量出血や,癒着胎盤合併など,診断がなされたのちのリスク評価や対応がポイントとなる.また,疫学的に高齢妊娠においてその頻度が高いといわれており,高齢妊娠が増加している現在では前置胎盤の頻度も増加すると思われる.

6.多胎

著者: 渡場孝弥 ,   左合治彦 ,   北川道弘

ページ範囲:P.46 - P.49

はじめに

 近年,女性の社会進出や国民の意識の変化により,晩婚化が進んでいる.また,最近の生殖補助医療の技術の進歩には目を見張るものがあり,晩婚化に伴う妊孕性の低下,不妊症例の増加と相俟って生殖補助医療による出生児数は増加を続けている.総出生児数に対する生殖補助医療による出生児の占める割合は,平成2年の0.09%から平成15年では1.55%にまで増加している.また,生殖補助医療の普及に伴い,多胎妊娠が急増している.昭和50年の単胎の出生数は約188.1万,多胎は約2.1万で,その後は分娩数の減少とともに単胎,多胎の出生数とも減り続けた.現在でも単胎の出生数が減り続けているのに対して,多胎妊娠は平成2年以降ほぼ毎年増加を続け平成16年の出生数は2.5万であった(図1)1)

7.早産

著者: 米田哲 ,   酒井正利 ,   斎藤滋

ページ範囲:P.50 - P.53

はじめに

 一般的に加齢は早産のリスク因子といわれているが,実は加齢と早産との直接的な因果関係は証明されていない.この理由としては,加齢に伴う合併症の頻度の上昇が間接的に早産率を上昇させていることが考えられる1~3).すなわち,医学的適応による早産が高年妊娠例に多く含まれるということになる.

 近年においては女性が社会進出することによる晩婚化,出産の高年齢化,さらには生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)の普及による妊娠機会の拡大など,高年妊娠を管理する頻度も増加している.また,高年齢になると高血圧,糖尿病などの羅病率も高くなる.したがって,高年初産妊娠においては必然的にハイリスク妊娠となりやすく,リスクへの十分な理解と適切な対応が要求される.

8.高齢妊娠と難産

著者: 平野秀人 ,   小原幹隆 ,   細谷直子 ,   畠山佑子 ,   田中俊誠

ページ範囲:P.54 - P.57

はじめに

 高齢妊娠(35歳以上とする),とくに高齢初産では,分娩時に種々のリスクを伴うといわれている.分娩時間の遷延(難産),異常出血,高度な産道損傷,胎児・新生児低酸素症,高い帝王切開率などがそうである.なかでも高齢初産の場合,「難産になりやすい」というイメージは確かにある.そのイメージは本当なのであろうか.生涯出産回数が激減した現在,もし難産となる可能性が高ければ,高齢であること以外,明らかな産科的適応はなくても,経腟分娩を試みることなく,はじめから帝王切開術を選択するという考えも妥当である.

 本稿では,「高齢初産は帝王切開が無難,それでよいのか」をもう一度考えてみる機会を提供したい.

9.血栓症

著者: 小林隆夫

ページ範囲:P.58 - P.61

はじめに

 初婚年齢の上昇(2000年では女性の平均は27.0歳)に伴い,第一子の出産年齢が29歳近くにまで上昇している.また,年齢別にみた出生数でも35歳以上の高年出産の頻度は年々高くなり,今後もこの傾向は続くものと思われる.高年妊娠・分娩はさまざまな問題点を抱えている.とりわけ肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)を含め妊産婦死亡率や周産期死亡率も高くなる.本稿では,静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)に焦点を絞ってリスクへの対応を述べることにする.

不妊治療と高年妊娠

著者: 清水郁也 ,   繁田実

ページ範囲:P.63 - P.67

はじめに

 生殖年齢の高齢化は少子化とともに不妊治療の増加をもたらし,さまざまな問題のもとになっている.本稿では,文献をもとに不妊治療と高齢妊娠の関連について述べる.

晩婚化に伴う少子化と不妊率の増加

 合計特殊出生率の減少は,結婚行動(晩婚化・非婚化)と出生行動(夫婦が持つ子供の数)の変化という2つの要因によるが,1980年代には主に未婚者の増加が,1990年代には出生行動の変化が出生数を抑制してきたものと考えられている.しかし,晩婚化は現在も着実に進んでおり,初婚の平均年齢をみると女性は1980年の25.2歳から2005年の28.0歳に上昇,20~24歳の女性の初婚率は1975年以降低下し続ける一方,30歳台の初婚の割合は上がり続けており,1990年以降著しい1, 2)

産後ケアと育児支援を考える

著者: 新野由子

ページ範囲:P.69 - P.73

はじめに

 筆者は助産師として約10年間施設勤務したのち,アメリカの大学の修士課程で生命倫理を学んだ.その後,厚生労働省にて母子保健課などで勤務し,現在は研究者の道を進んでいる.執筆の機会をいただいたことに感謝するとともに,本稿では産後ケアと育児支援に焦点を当て,私見も含めて述べたい.

出産,育児期にある人たちの背景

 平成18年9月に発表された厚生労働省の人口動態統計では,平成17年の35歳以上の高齢出産は全体の17%である.40歳以上の出産も2万件を超えている.生殖補助医療の進歩に伴い,何らかの不妊治療を受ける人も増えており,この統計のなかには当然不妊治療の結果,妊娠・出産をした人も含まれていると予測する.

連載 産婦人科エコー 何を考えるか?・12

低位にある胎盤の付着部位診断

著者: 竹内久彌

ページ範囲:P.5 - P.8

 妊娠28週に行われた経腟超音波で前置胎盤が疑われた症例である.

 子宮頸部とその直上部の子宮下部が胎盤とともに矢状断像で描出されていることは容易に読影されることと思う.胎盤が子宮頸部の上端を覆う位置にあるように描出されているため,このままで前置胎盤と診断されてもしかるべきであろう.ところが,筆者の読影結果は異なっていた.

教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・18

腫瘍マーカー(CA19-9,CA125)が高値を示した卵巣腫瘍の1例

著者: 清水篤 ,   砂原昭一 ,   國重浩二 ,   佐々木茂

ページ範囲:P.76 - P.79

症例

 患者:31歳,主婦.0経妊・0経産

 主訴:右下腹痛

 既往歴:3年間の不妊症

 家族歴:特記すべきことなし.

 現病歴:昨年11月1日,30mm大の左卵巣腫瘍がみつかり,CA125 40U/ml,CA19-9 61U/mlであったため経過をみていた.本年5月初旬から約1週に及ぶ増強する右下腹痛を訴えて5月10日に来院した.診察を行ったところ,両側に卵巣腫瘍を認めたため,5月30日にMRIを予約した.

 入院時現症:子宮は鵞卵大,右卵巣は超鵞卵大,左卵巣は鳩卵大であった.分泌物は漿液性・少量で,子宮腟部びらん(+),子宮圧痛(++)であった.

 超音波所見:右卵巣腫瘍は長径75mmで,なかに30mm程度の2つの充実性部分を認めた.腹水は認められなかった.

 検査所見:CA19-9 8,570U/ml,CA125 5,460U/ml,CEA0.5ng/ml,CRP6.21mg/dl,LDH418IU/l,GOT13IU/l,GPT5IU/l,γ-GTP8IU/l,TC210mg/dl,TG51mg/dl,BUN11.3mg/dl,Cre0.7mg/dl,Hb12.3g/dl,Ht35.5%,Plt20.7万/μlであった.

 MRI所見(5月30日):骨盤冠状断面で,中央の子宮両側の卵巣がともに腫大しているのがわかった(図1).卵巣:骨盤内両側にT1強調画像にて高信号を呈する嚢胞性病変が認められた(図2).T2強調画像では右卵巣腫瘍はやや低信号を呈しており(図3,4),左側には液面形成が認められた.子宮:後屈子宮で,底部筋層内にT1強調画像,T2強調画像でいずれも低信号の結節性病変を認めた(図5).

イラストレイテッド産婦人科小手術・16

【産科小手術】頸管縫縮術

著者: 中田好則

ページ範囲:P.81 - P.83

1 はじめに

 頸管縫縮術は子宮頸管無力症に対して行われる手術であるが,頸管無力症の定義は日産婦学会編用語解説集1)によれば,「妊娠16週ごろ以降にみられる習慣流早産の原因の1つである.外出血とか子宮収縮などの,切迫流早産徴候を自覚しないにもかかわらず子宮口が開大し,胎胞が形成されてくる状態である.既往妊娠時に受けた陳旧性頸管裂傷や,先天的な頸部組織の異常が原因と考えられている.通常は無症候性であるが,ときに多量の腟分泌物,下腹部不快感を訴えることがある.初期ならば頸管縫縮術により未然に流早産を防止することができる」とされている.

 術式は,一般にはシロッカー法とマクドナルド法が用いられるが,本稿では基本的な術式のシロッカー法について述べる.

病院めぐり

知多市民病院

著者: 三澤俊哉

ページ範囲:P.84 - P.84

 知多市民病院は,市民待望の地域中核病院として昭和59年3月に開設されました.病床数は開院時には176床でしたが,昭和62年7月より300床として運用されています.病院の基本理念として,医療の質の向上,救急医療の充実,地域社会との連携を掲げて地域医療に貢献しています.標榜13科は内科,外科,小児科,産婦人科,整形外科を中心とし,泌尿器科,脳神経外科が特色のある存在です.開院20周年を経過し,診療の改善を目的として平成17年11月に日本医療評価機構の病院機能評価VER 5.0の認定を受けるべく受審し,平成18年1月に認定を受けました.平成18年からは外来棟の整備と増築が開始されています.また,病院としては臨床研修病院の認定を受けて臨床研修医を年間1~2名受け入れ,産婦人科としては卒後研修指導施設の指定を受けています.

東大阪市立総合病院

著者: 奥正孝

ページ範囲:P.85 - P.85

 当院は平成10年5月より現在の地に移転し,東大阪市立総合病院として開院しました.病床は573床で,隣の中河内救命センターとともに地域の中核病院として急性期医療に携わっています.

 産婦人科病床は51床で,院内にNICUを有していることもあり,日々母体搬送と緊急手術に追われています.また,産婦人科医師は,平成17年度まで常勤医が5名でしたが,スーパーローテートシステムのおかげで,平成18年度より後期研修医1名がスタッフに加わりました.

もうひとつのインドネシア―セックスワーカーを通してみたリプロダクティブヘルス・4

インドネシアの処女性

著者: 東梅久子

ページ範囲:P.86 - P.87

安全な人工妊娠中絶を阻む処女性

 インドネシアでは人工妊娠中絶が法律で禁じられている.望まない妊娠をした未婚女性が人工妊娠中絶を希望して生命の危険にさらされるのは,法律,貧困,教育の問題に加えて文化的に処女性が重んじられていることが大きいと思われる.妊娠したことは処女ではないことを意味し,婚前に処女でなくなったことは社会に許容されにくい.かくして人工妊娠中絶は危険と隣り合わせに,闇のなかで行われることになる.

書評

落合和徳 編―『卵巣腫瘍のすべて』

著者: 稲葉憲之

ページ範囲:P.88 - P.88

 本書の編者,落合和徳教授は小生と長年,日本産科婦人科学会において幹事,理事,常任理事として苦楽をともにして参りました.また,婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構(NPO)副理事長としてもご活躍で,卵巣腫瘍の診断・治療に関する斯界の第一人者であり,また産婦人科の分野で最もお忙しい先生のお一人であります.この度『卵巣腫瘍のすべて』を上梓されましたので,以下感じるところ,思うところを簡潔に述べます.

 まず,多忙を極める落合先生が本書を編集され,上梓されたことに敬意を表します.プロローグでも述べておられますが,東京慈恵会医科大学産科婦人科(以下,慈恵医大産婦人科)の「表看板」である「卵巣腫瘍」についてすべて網羅されているのではというのが第一印象であります.卵巣腫瘍の疫学に始まる基礎編,正常卵巣と卵巣腫瘍の分子生物学,次いで卵巣腫瘍の実地臨床(診断,治療)を詳細に,しかも簡明に解説し,この分野で学会をリードする慈恵医大産婦人科の面目躍如たるものがあります.加えて,フォローアップの実際,リスクファクターと予防,緩和医療とターミナルケア,治療とQOLなどについても懇切丁寧な説明がなされております.一方,卵巣腫瘍と不妊治療,妊孕性の維持,妊娠中の取り扱いなど実地医家が日常診療で遭遇する困惑事例についても項目を設け,最近の話題でもある子宮内膜症性卵巣嚢胞と卵巣癌についても解説が及んでおります.

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編集後記

著者: 岡井崇

ページ範囲:P.96 - P.96

〈日本医学会〉

 日本医学会が日本医師会の下部組織であることを知っている人は少ないと思います.私自身もそのことを知ったのは2年前で,評議員会がいつも医師会館で行われるので,なぜか?と尋ねたのが切っ掛けです.もちろん,そのことがそれほど重要だとは思っていなかったのですが,この両会の関係が最近になって問題視され始めました.

 日本医学会長が議長を務めた第III次学術推進会議の報告書「わが国における専門医のあり方」があまりにも各学会の意見から掛け離れた医師会寄りの内容だったからです.日本医師会の定款第10章第49条に,「学会長は,学会の重要な会務については,本会会長と協議し,了承を得るものとする」の一文があり,そのため議長は医師会の意見を尊重せざるを得なかったという訳です.医師会から年間1億4千万円の補助金を受け取っているのですから,医学会自身の主張を通すのは実際に難しかったのでしょうが,この出来事を通して,101の分科会(各学会)の総元締めである日本医学会が日本医師会に頭を押さえられている現行の体制に問題があるとの認識が学会の間に広まったのです.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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