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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻1号

2007年01月発行

文献概要

今月の臨床 高年妊娠-母児ケアのポイント リスクへの対応とケアのポイント

7.早産

著者: 米田哲1 酒井正利2 斎藤滋2

所属機関: 1厚生連糸魚川総合病院産婦人科 2富山大学産科婦人科

ページ範囲:P.50 - P.53

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はじめに

 一般的に加齢は早産のリスク因子といわれているが,実は加齢と早産との直接的な因果関係は証明されていない.この理由としては,加齢に伴う合併症の頻度の上昇が間接的に早産率を上昇させていることが考えられる1~3).すなわち,医学的適応による早産が高年妊娠例に多く含まれるということになる.

 近年においては女性が社会進出することによる晩婚化,出産の高年齢化,さらには生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)の普及による妊娠機会の拡大など,高年妊娠を管理する頻度も増加している.また,高年齢になると高血圧,糖尿病などの羅病率も高くなる.したがって,高年初産妊娠においては必然的にハイリスク妊娠となりやすく,リスクへの十分な理解と適切な対応が要求される.

参考文献

1)Main DM : The epidemiology of preterm birth. Clin Obstet Gynecol 31 : 521-532, 1988
2)本田 洋 : 早産の背景因子.産婦の世界42 : 1-7,1990
3)竹田 省 : 加齢と早産.産婦人科の実際50 : 1981-1984,2001
4)Sakai M, Shiozaki A, Tabata M, et al : Evaluation of effectiveness of prophylactic cerclage of a short cervix according to interleukin-8 in cervical mucus. Am J Obstet Gynecol 194 : 14-19, 2006
5)Ugwumadu A, Manyonda I, Reid F, et al : Effect of early oral clindamycin on late miscarriage and preterm delivery in asymptomatic women with abnormal vaginal flora and bacterial vaginosis : a randomised controlled trial. Lancet 361 : 983-988, 2003
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7)米田 哲,酒井正利,中島彰俊,他 : 一絨毛膜性および二絨毛膜性双胎における予防入院管理の有用性に関する検討.日本周産期・新生児医学会雑誌38 : 88-93,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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