icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻12号

2007年12月発行

文献概要

今月の臨床 不妊診療─現在の課題と将来展望

不妊治療と女性のエイジング

著者: 久保春海1

所属機関: 1NPO法人日本不妊予防協会

ページ範囲:P.1434 - P.1439

文献購入ページに移動
はじめに

 わが国の少子化傾向は昨年(平成18年)やや改善して3万人くらい総出生児数が増加したというものの,すでに特殊出生率は1.32と安定した人口が維持可能とされる2.3を大きく下回っている.これには社会的要因として,女性の意識改革,社会進出に伴う晩婚,未婚,非婚,および結婚しても晩産,未産,非産などの傾向が大きく関与している.非婚,非産はリプロヘルス・ライツによって保障された権利であり,個人の幸福追求権として,基本的人権の範疇に入るのであろうが,晩婚,未婚および晩産,未産の場合,生殖可能期間(15~45歳)といわれる30年間の全期にわたって生殖可能と考えられやすいが,安全生殖年齢限界(通常35歳)が医学的に証明されており,これを超えた年齢での生殖行動は,いわゆる社会性不妊(加齢に伴う不妊)に陥りやすい(図1).

参考文献

1)臼井 彰:シンポジウム1「ART症例に対する新しい試み」高齢および低反応症例に対するDHEA投与の有用性について.第51回日本生殖医学会総会抄録集
2)Hull MG, Glazener CM, Kelly NJ, et al:Population study of causes, treatment, and outcome of infertility. Br Med J 291:1693-1697, 1985
3)米井嘉一:老化度と老化危険因子.アンチ・エイジング医学,2:16-20,2006
4)Menken J, Trussell J, Larsen U:Age and infertility. Science 233:1389-1395, 1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?