文献詳細
今月の臨床 不妊診療─現在の課題と将来展望
文献概要
はじめに
近年,生殖補助医療技術は,体外受精とその関連技術の開発と普及により急速な進歩をとげている.また,遺伝医学においても分子遺伝学,細胞遺伝学などの分野に大きな進歩がみられ,特に1990年代からのヒトゲノム研究および遺伝子解析技術の発展は目をみはるものがあった.そして,その接点として生殖医療の現場では,遺伝子診断,染色体検査などの遺伝学的検査が積極的に行われるようになってきた.一般に遺伝学的検査においては,一生涯変化しない個人の遺伝情報を対象としているため,検査を実施するときの十分なインフォームド・コンセント,遺伝学的情報の保護,検査に使用した生体試料の管理,検査前後の遺伝カウンセリングなどを実施することが望ましいといわれている.本稿においては,不妊・不育の遺伝カウンセリングにおけるインフォームド・コンセントの要点,臨床遺伝専門医へのアクセス方法などについて述べる.
近年,生殖補助医療技術は,体外受精とその関連技術の開発と普及により急速な進歩をとげている.また,遺伝医学においても分子遺伝学,細胞遺伝学などの分野に大きな進歩がみられ,特に1990年代からのヒトゲノム研究および遺伝子解析技術の発展は目をみはるものがあった.そして,その接点として生殖医療の現場では,遺伝子診断,染色体検査などの遺伝学的検査が積極的に行われるようになってきた.一般に遺伝学的検査においては,一生涯変化しない個人の遺伝情報を対象としているため,検査を実施するときの十分なインフォームド・コンセント,遺伝学的情報の保護,検査に使用した生体試料の管理,検査前後の遺伝カウンセリングなどを実施することが望ましいといわれている.本稿においては,不妊・不育の遺伝カウンセリングにおけるインフォームド・コンセントの要点,臨床遺伝専門医へのアクセス方法などについて述べる.
参考文献
1)ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針.文部科学省・厚生労働省・経済産業省,2001
2)遺伝学的検査に関するガイドライン.遺伝医学関連学会,2003
3)Cox GF, Burger J, Lip V, et al:Intracytoplasmic sperm injection may increase the risk of imprinting defects. Am J Hum Genet 71:162-164, 2002
4)Sugiura-Ogasawara M, Ozaki Y, Sato T, et al:Poor prognosis of recurrent abortions with either maternal or paternal reciprocal translations. Fertil Steril 81:367-373, 2004
5)De Braekeleer M, Dao TN:Cytogenetic studies in couples experiencing repeated pregnancy losses. Hum Reprod 5:519-528, 1990
6)習慣流産に対する着床前診断に関する見解に対する考え方.日本産科婦人科学会,2006
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