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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻12号

2007年12月発行

文献概要

連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・28

二度にわたり外陰部に発生した平滑筋腫瘍の1例

著者: 古川美樹1 向田一憲1 伊東宏絵1 藤東淳也1 井坂惠一1

所属機関: 1東京医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.1515 - P.1517

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症例

 患者:23歳(初診時),0経妊・0経産

 主訴:月経不順,過多月経,貧血様症状

 現病歴:子宮筋腫の診断にて紹介され受診した.来院時3.6cmの粘膜下および6cmの筋層内筋腫を認めた.GnRHa療法後,1993年3月に粘膜下筋腫に対し,第1回目の子宮鏡下筋腫切除術(TCR)を施行し,粘膜下筋腫を切除した.

 その後,再度過多月経にて当院を受診し,超音波,子宮鏡にて粘膜下に突出する6cm大の筋腫を認めたため,1993年8月,2回目のTCRを施行した.1994年1月,重症貧血と残存したと思われる1cm大の筋腫を認めたため,3回目のTCRを施行した.

 1998年10月,再度貧血様症状にて再受診した.子宮粘膜下と外陰部に筋腫を認めたため,4回目のTCRと外陰部筋腫切除術を施行した.外陰部の筋腫は7.5cm大であった.

 2005年10月,再度外陰部の違和感と貧血様症状を認め外来を受診し,MRIを施行したところ多発性の子宮筋腫と外陰部筋腫を認めた.

 MRI所見:2005年,術前に撮影したT2強調画像で子宮は腫大しており,大小多発している筋腫を認めた(図1).外陰部には径9cm大の腫瘍が認められた(図2).

参考文献

1)富樫かおり,他:婦人科疾患のMRI診断.医学書院,pp149-169,1991
2)Tavssoli FA, Norris HJ:Smooth muscle tumors of the vulva. Obstet Gynecol 53:213-217, 1979
3)Aneiros J, Garcia del Moral R, Beltran E, et al:Epithelioid leiomyoma of the vulva. Diagn Gynecol Obstet 4:351-355, 1982
4)Hopkins-Luna AM, Chambers DC, Goodman MD :Epithelioid leiomyoma of the vulva. J Natl Med Assoc 91:171-173, 1999
5)藤井信吾,小西郁生,川口周利:子宮筋腫の発生.産婦人科MOOK35,子宮筋腫,1986
6)Konisi I,Fujii S,Okumura H,et al:Development of smooth muscle in the human fetal uterus:An ultrastructural study. J Anat 139:239-252, 1984
7)Neri A, Peled Y, Braslavski D:Vulval leiomyoma.Acta Obstetet Gynecol Scand 72:221-222, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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