文献詳細
連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・20
文献概要
症例
患者:33歳,女性.1経妊・0経産,自然流産1回
主訴:下腹痛
家族歴:特記すべきことなし.
既往歴:25歳時に子宮筋腫核出術,28歳時に子宮筋腫核出術,30歳時に子宮筋腫レーザー蒸散術を受けた.
現病歴:最終月経よりの無月経を主訴に近医を受診した.その後の妊娠経過は順調であったが,妊娠25週2日に子宮筋腫核出術後の妊娠とのことで紹介され初診となった.胎児発育は順調であったが,胎盤付着部位が子宮後壁から下方であり,前置胎盤が疑われた.出血などは認めず外来フォローアップとしたが,妊娠30週0日に子宮収縮,下腹痛を認め外来を再診した.
現 症:意識清明,体温36.4℃,血圧105/63mmHgであった.内診上,分泌物は白色で少量,子宮口は閉鎖していた.経腟超音波上の頸管長も短縮は認められなかった(図1).また,外来で施行したノンストレステスト(non-stress test:NST)では,胎児心拍数基線は150bpmで,reactive patternであった.しかし,子宮収縮を頻回に認め,軽度の下腹痛も認めたため切迫早産と診断し,入院管理とした.
患者:33歳,女性.1経妊・0経産,自然流産1回
主訴:下腹痛
家族歴:特記すべきことなし.
既往歴:25歳時に子宮筋腫核出術,28歳時に子宮筋腫核出術,30歳時に子宮筋腫レーザー蒸散術を受けた.
現病歴:最終月経よりの無月経を主訴に近医を受診した.その後の妊娠経過は順調であったが,妊娠25週2日に子宮筋腫核出術後の妊娠とのことで紹介され初診となった.胎児発育は順調であったが,胎盤付着部位が子宮後壁から下方であり,前置胎盤が疑われた.出血などは認めず外来フォローアップとしたが,妊娠30週0日に子宮収縮,下腹痛を認め外来を再診した.
現 症:意識清明,体温36.4℃,血圧105/63mmHgであった.内診上,分泌物は白色で少量,子宮口は閉鎖していた.経腟超音波上の頸管長も短縮は認められなかった(図1).また,外来で施行したノンストレステスト(non-stress test:NST)では,胎児心拍数基線は150bpmで,reactive patternであった.しかし,子宮収縮を頻回に認め,軽度の下腹痛も認めたため切迫早産と診断し,入院管理とした.
参考文献
1) 久保田俊郎 : 産婦人科救急対応マニュアル7.腹腔内出血が疑われたら.産と婦73 : 1527-1532,2006
2) 木村芳孝 : 症例から学ぶ周産期医学.3.産科出血,血栓症,子宮破裂.日産婦誌57 : N261-N267,2005
3) 越野立夫,中井章人 : .子宮破裂,妊娠・分娩・産褥期の産科救急.荒木 勤(編) : 新女性医学大系8.産婦人科救急.226-231,中山書店,1999
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