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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 I 周産期

【GBS感染症】4.妊娠中の培養検査で,B群溶血連鎖球菌(GBS)が陽性と出た妊婦です.

著者: 柳原敏宏1

所属機関: 1香川大学医学部周産期学婦人科学

ページ範囲:P.357 - P.359

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1 診察の概説

 B群溶血連鎖球菌(GBS)はStreptococcus agalactiaeのことであり,腟・会陰・直腸の常在菌である.一般的に成人の約1/3に腸管内保菌者が存在し,妊婦の腟・会陰から10~15%から検出される.妊婦が腟内にGBSが保菌してもほとんど症状のない場合が多いが,近年糖尿病などの基礎疾患のある場合の発症が問題となっている.また,GBS単独の腟炎ではなく,ほかの細菌との混合感染による場合にはpreterm PROMや流早産の原因になる場合もあるとされている.一方,子宮内胎児には影響ないとされているが,PROMや絨毛羊膜炎の原因がGBSである場合には,上行性の胎児感染も注意が必要である.

 GBS保菌妊婦からの出生児のうち36~58%でGBSが検出されるが,このうち1%前後が発症する.全妊娠から計算すると,米国では新生児1,000人に1~3人とされており,本邦では発症率は米国に比較すると非常に低く,1,000人に対して0.05~0.2人が発症する.

参考文献

1) CDC : Prevention of perinatal group B streptcoccal disease. Revised guideline from CDC. MMWR Recomend Rep 51(RR-11): 1-22, 2002
2) de Cueto M, Sanchez MJ, Molto L, et al : Efficacy of a universalscreening program for the prevention of neonatal group B streptcoccal disease. Eur J Clin Microbil infect Dis 14 : 810-812, 1995
3) 池田申之,三橋直樹 : B群溶連菌感染症.産と婦67 : 1601-1606,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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