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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 I 周産期

【乳児の皮膚疾患】9.接触性皮膚炎,カンジダ症との鑑別が難しいおむつかぶれの乳児です.

著者: 下平和久1 岡井崇1

所属機関: 1昭和大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.368 - P.369

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1 診療の概説

 「おむつかぶれ」とは,乳児のおむつを当てている大腿,臀部などの部分にできる皮膚炎の総称である.アンモニア形成によると考えられ,「アンモニア皮膚炎」と呼ばれる場合もあるが,尿や便による化学的な刺激,湿度などの物理的要因,細菌による影響など,複数の原因から成る疾患であると考えられ,「接触性皮膚炎」,「襁褓皮膚炎」ともいわれる.

 これに対し,真菌感染による「乳児寄生菌性紅斑」,黄色ブドウ球菌による「伝染性膿痂疹」,スキンケアの問題とされる「脂漏性湿疹」,皮膚バリア障害と考えられる「アトピー性皮膚炎」などは,一見似た症状を示すが異なる疾患であり,治療法もそれぞれに違うため,適正な診断と管理が求められる.プライマリケアとしては産科医が対処するが,診断に迷うときや治療に難渋するときは,速やかに皮膚科専門医の診断を仰ぐべきであろう.日常臨床では「おむつかぶれ」と「乳児寄生菌性紅斑」の鑑別が最も重要となるため,その点を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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