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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション

ここが聞きたい105例の対処と処方 I 周産期

【気管支喘息(妊娠中)】12.急性発作を起こした慢性気管支喘息の妊婦です.

著者: 板倉敦夫1

所属機関: 1埼玉医科大学産婦人科

ページ範囲:P.376 - P.377

文献概要

1 診療の概説

 妊娠中の気管支喘息は,悪化,不変,改善がそれぞれ1/3といわれていたが,最近のデータでは,不変の割合が高いことも報告されている 1).妊娠中に喘息発作が改善する例もあることには違いないが,安易に改善することを期待することは非常に危険である.気管支喘息は,妊娠初期から薬物による治療が必要な疾患であり,薬物あるいは発作の胎児への影響が懸念されるため,処方に苦慮することも多い.

 最近,全米喘息教育・予防プログラム(NAEP)は妊娠中の喘息管理に関するガイドラインを改訂した.その内容は,成人の気管支喘息の治療プロトコールと大きな差はなく,コントロール不良の喘息の母体・胎児に及ぼす悪影響は,薬物投与のリスクを大きく超えていることを示している.アメリカ人と日本人に違いがあるため,米国のガイドラインをそのまますべて日本に持ち込むことは危険であるが,日本における成人の喘息治療プロトコールが米国のガイドラインとほぼ同一であることから,日本の妊婦に対しても,このガイドラインを踏襲することに,大きな問題はないであろう.

参考文献

1) Schatz M, Dombrowski MP, Wise R, et al : Asthma morbidity during pregnancy can be predicted by severity classification. J Allergy Clin Immunol 112 : 283-288, 2003
2) Liu S, Wen SW, Demissie K, et al : Maternal asthma and pregnancy outcomes : a retrospective cohort study. Am J Obstet Gynecol 184 : 90-96, 2001
3) Jaakkola JJ, Ahmed P, Ieromnimon A, et al : Preterm delivery and asthma : a systematic review and meta-analysis. J Allergy Clin Immunol 118 : 823-830, 2006
4) Dombrowski MP, Schatz M, Wise R, et al : National Institute of Child Health and Human Development Maternal-Fetal Medicine Asthma during pregnancy. Obstet Gynecol 103 : 5-12, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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