icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション

ここが聞きたい105例の対処と処方 I 周産期

【腰痛(妊娠中)】14.妊娠25週に,突然,強い腰痛をきたした妊婦です.

著者: 板倉敦夫1

所属機関: 1埼玉医科大学産婦人科

ページ範囲:P.383 - P.385

文献概要

1 診療の概説

 腰痛症の原因としては,妊婦が大きな妊娠子宮を前方に抱えるので,重心を後ろへ移動させ上体を反屈する姿勢をとるためと考えられている.しかし,妊娠初期からすでに腰痛に悩まされる妊婦もいるため,肥大した妊娠子宮だけでは説明できない.腰痛症は,仙腸関節由来であることが多く,妊娠中に恥骨が離開しやすいのと同様に,仙腸関節も緩み引き伸ばされ,固定化するために疼痛を感じるとされている.そのため,仙腸関節を動かすと,直後は痛みを訴えても,その後に楽に感じるようになることが特徴である 1)

 腰痛の約60%がその初発時期は20~31週であるとされており 2),妊娠25週の腰痛は,発症頻度から考えても,器質的疾患を伴わない腰痛症である可能性が高い.しかし,すべての妊娠中の症候がそうであるように,器質的疾患を見逃さないことが重要である.

参考文献

1) 森田俊一 : 妊娠と腰痛.周産期医学36 : 1401-1403,2006
2) 青野敏博(編) : 産婦人科外来処方マニュアル.pp32-33,医学書院,2000
3) 茶谷賢一,長谷 斉 : 腰痛の原因.産婦人科治療92 : 115-121,2006
4) 松村英祥,臼井真由美,村山敬彦,他 : 椎間板ヘルニア.周産期医学36 : 1383-1388,2006
5) Romero R, Oyazun E, Mazor M, et al : Meta-analysis of the relationship between asymptomatic bacteriuria and preterm delivery/low birth weight. Obstet Gynecol 73 : 576-82, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら