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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション

ここが聞きたい105例の対処と処方 I 周産期

【便秘(妊娠中)】16.習慣性便秘に苦しんでいる妊婦です.

著者: 望月昭彦1 高橋健太郎1 野田洋一1

所属機関: 1滋賀医科大学産婦人科

ページ範囲:P.390 - P.391

文献概要

1 診療の概説

 便秘は,便の排出に困難を感じるか,あるいは稀である状態をいう.したがって,毎日何回か,少量ずつの排便があっても,便が硬く苦痛を伴うときは便秘という.一般的には3日以上排便を欠き,便通異常に伴う症状(腹痛,排便困難,腹部膨満感など)が主訴となる.妊娠初期はプロゲステロンによる消化管蠕動運動抑制作用や悪阻による食事量の減少により,また妊娠中期以降は増大した妊娠子宮による腸の圧排・偏位により,妊婦は弛緩性便秘となることが多い.さらに血流のうっ滞により痔核になりやすくなり,肛門痛のためにときに排便障害をきたす.そのために便意を抑制し,さらに便秘を助長し,痔を悪化させるという悪循環に陥る.また,わが国の若い世代での食物線維接種量は十分でなく,食生活の内容も便秘の原因の1つである.

参考文献

1) 永田智子,春木 篤 : 便秘.臨婦産59 : 438-439,2005
2) 高橋 裕 : 女性の便秘と妊娠中の便秘.medicina 36 : 1508-1510,1999
3) 根岸由紀子 : 妊娠中の食生活について.周産期医学35(増) : 25,2005
4) 平塚秀雄 : 刺激性下剤を使い続けるのは有害なのか?治療88(増) : 720-722,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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