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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 I 周産期

【下痢(妊娠中)】17.激しい急性の下痢を訴えている妊婦です.

著者: 望月昭彦1 高橋健太郎1 野田洋一1

所属機関: 1滋賀医科大学産婦人科

ページ範囲:P.392 - P.393

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1 診療の概説

 下痢とは,経口摂取される水分量と消化管からの分泌液が,小腸や大腸での吸収能力を上回った結果,糞便の状態が軟便や水様便となった状態である.

 糞便中の水分量が増加する原因としては,腸管液(胃液,膵液,小腸液)の分泌が著しく亢進した分泌性下痢,水分の吸収能力が低下した吸収不良性下痢,腸管の蠕動運動が亢進した運動機能亢進性下痢があるが,多くは複合して下痢を生じている.

 急性下痢の主な原因は,病原体,毒素および薬物である.慢性下痢では,神経性下痢,過敏性腸症候群などの精神心因性や,炎症性腸疾患,甲状腺機能亢進症,薬物の服用などが原因となる.

参考文献

1) Arnold W : Constipation, diarrhea, and symptomatic hemorrhoids during pregnancy. Gastroenterol Clin N Am 32 309-322, 2003
2) 福本陽平,原田唯成,村上泰昭 : 代表的な止痢剤と対処療法の注意点.medicina 43 : 2001-2004, 2006
3) 船越信介,芹澤 宏,日比紀文 : 急性下痢への診断的アプローチ.medicina 43 : 1986-1993, 2006
4) 柳 秀高 : 感染性下痢では抗菌剤投与はどのような場合に必要か?medicina 43 : 2006-2007, 2006
5) 片山和彦 : ノロウイルス胃腸炎.日本内科学会雑誌93 : 38-44,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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