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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 II 内分泌

【無月経】26.自己嘔吐を繰り返す神経性食欲不振症の患者です.

著者: 山口昌俊1

所属機関: 1宮崎大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.419 - P.421

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1 診療の概説

 神経性食欲不振症は気質的な精神疾患や,気分障害や統合失調症などの特定の精神的疾患がないのに,拒食・過食などの食行動の異常,やせであるのに極端なやせ願望(ボディイメージの障害)と月経異常,病識の欠如などを呈する疾患である 1).本疾患は,思春期の女性に多く,過食・拒食以外に隠れ食い,自己嘔吐,下剤や利尿薬などの薬物の連用などの異常行動を伴う.体重減少の結果低栄養状態となると低血圧,低体温,徐脈,貧血,低カリウム血症,低リン血症,浮腫,肝機能障害を伴うことがある.婦人科的にはほとんどの症例が無月経となるが,体重減少に伴って比較的早期に発生する.自己嘔吐を繰り返す症例では自殺などの異常行動を取る可能性があるので注意が必要である.

 診断基準は,アメリカ精神医学会のDSM─4(表1)や厚生省特定疾患神経性食思不振症研究班の診断基準(表2)が用いられる.

参考文献

1) 岡部憲二郎,井尾健宏 : 神経性食欲不振症の病識-摂食障害患者全体のボディイメージの検討から.心身医46 : 67-73,2006
2) 鈴木眞理 : 女性心身症と漢方.神経性食欲不振症の治療.日本女性心身医学会雑誌11 : 34-39,2006
3) 瀧井正人,野崎剛弘,押切佳代,他 : 九州大学心療内科における神経性食欲不振症の入院治療.心身医45 : 333-340,2005
4) Lock J, Couturier J, Bryson S, et al : Predictors of dropout and remisson in family therapy for adolescent anorexia nervosa in a randomized clinical trial. Int J Eat Disord 39 : 639-647, 2006
5) 楢原久司 : 神経性食欲不振症.産と婦72 : 198-201,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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