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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション

ここが聞きたい105例の対処と処方 II 内分泌

【頻発月経,希発月経】28.思春期における月経異常に関連した肌荒れ,にきびに悩んでいる患者です.

著者: 竹内亨1

所属機関: 1東京大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.424 - P.425

文献概要

1 診療の概説

 エストロゲンは繊維芽細胞を活性化し,コラーゲン繊維の形成を促進する作用を有している.エストロゲンの分泌量低下によりコラーゲンの代謝活性が低くなると皮膚の弾力性がなくなり,肌荒れや小じわなどが増えて皮膚の老化へつながる.月経異常のなかにはエストロゲン分泌が低下することで肌荒れを起こす場合がある.この場合の月経異常は,ほとんどが視床下部性無月経である.一方,にきび(尋常性座瘡)は,思春期以降男女とも男性ホルモンが増加すると毛包にある皮脂腺から皮脂分泌が増加することにより,皮脂を栄養源とするアクネ桿菌が増殖し,炎症を起こすことで生じる.すなわち,男性ホルモンの分泌亢進を起こすような月経異常(多嚢胞性卵巣症候群など)の場合ににきびが増えることがある.

 月経異常を伴う肌荒れやにきびは,皮膚科的な対症療法のみでは改善しにくいので,婦人科的な治療も必要となる.ホルモン検査を施行し,月経異常の病態に沿った治療を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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