文献詳細
今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方 II 内分泌
【月経困難症】37.月経痛のために市販の鎮痛薬を服用している患者です.最近,効果がなくなってきたといいます.
著者: 南佐和子1
所属機関: 1和歌山県立医科大学周産期部
ページ範囲:P.467 - P.469
文献概要
月経困難症は「月経期間中に月経に随伴して起きる病的症状」と定義されており,下腹部痛,腰痛がその中心をなすが,嘔気,嘔吐,頭痛,下痢,疲労感,脱力感などとして現れる場合もある.子宮の器質的な異常が原因となって痛みがみられる場合を器質性月経困難症といい,器質的な認められないにもかかわらず,痛みが出現するものを機能性月経困難症という.今回の設問では,市販の鎮痛薬を服用していたにもかかわらず,効果がなくなってきたことより器質的な疾患について検索する必要がある.痛みの原因となる器質的な異常のうち,最も多いものは子宮腺筋症であり,子宮筋腫,子宮内膜症,骨盤内炎症などが考えられる.
参考文献
掲載誌情報