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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 II 内分泌

【骨粗鬆症】49.閉経後に骨量低下,骨粗鬆症を認める患者です.

著者: 望月善子1

所属機関: 1獨協医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.509 - P.511

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1 診療の概説

 骨粗鬆症は性ホルモン欠乏と加齢に伴う,骨の量の減少と質の劣化により発症すると考えられるようになり,骨代謝制御による骨折防止効果が明らかになるとともに,骨粗鬆症治療薬にも骨の「量の増加」だけでなく,「質の改善」が望まれるようになった.そして,いうまでもなく骨粗鬆症診療の目的は,その合併症である骨折を防止することにあるので,予防的見地からも骨量減少が始まる閉経周辺期に骨量の程度や骨代謝動態を評価しておくことは非常に大切なことであると考える.

 昨年改訂された骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版 1)では,骨粗鬆症についての基本的な考え方が示された(表1).また,骨量減少者に対する薬物治療開始の妥当性について言及され,骨折危険因子の有無を考慮したうえで,骨粗鬆症診断基準とは別に,薬物治療開始基準が設定された(図1).さらに,骨代謝回転亢進,疼痛,ビタミン不足などの病態の違いや骨折の有無,骨密度低下など病期の違いといった視点から治療法を整理し,病態・病期ごとの薬剤選択の考え方の方向性が呈示された(図2).

参考文献

1) 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会 : 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版,ライフサイエンス出版,2006
2) Kanis JA, Johnell O, Black DM, et al : Effect of raloxifene on the risk of new vertebral fracture in postmenopausal women with osteopenia or osteoporosis : a reanalysis of the Multiple Outcomes of Raloxifene Evaluation trial. Bone 33 : 293-300, 2003
3) Cummings SR, Black DM, Thompson DE, et al : Effect of alendronate on risk of fracture in women with low bone density but without vertebral fractures : results from the Fracture Intervention Trial. JAMA 280 : 2077-2082, 1998
4) Cauley JA, Robbins J, Chen Z, et al : Women's Health Initiative Investigators. Effects of estrogen plus progestin on risk of fracture and bone mineral density : the Women's Health Initiative randomized trial. JAMA 290 : 1729-1738, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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