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今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方 II 内分泌
【高脂血症】50.家族性高コレステロール血症家系の妊婦です.妊娠初期は問題なかったのですが,妊娠28週の検査で高脂血症と診断されました.
著者: 高橋一広1 高田恵子1 倉智博久1
所属機関: 1山形大学医学部産科婦人科学
ページ範囲:P.513 - P.515
文献概要
家族性高コレステロール血症は,高コレステロール血症,高低比重リポ蛋白コレステロール(LDL)血症,腱黄色腫,早発性冠動脈硬化症を特徴とする疾患である.この疾患はLDL受容体の遺伝的異常により血中LDLの細胞への取り込みが低下した結果,LDLが高値を示すものである.遺伝形式は常染色体優生遺伝であり,対立遺伝子の片方が異常であるヘテロ接合体,両方の遺伝子が異常であるホモ接合体に分類される.家族性高コレステロール血症のヘテロ接合体は500人に1人の頻度で認められ,血中コレステロール値は260~500 mg/d
妊娠中はエストロゲンの増加に伴い血清脂質は増加し,非妊時に比べて総コレステロールは50%,トリグリセリドは150~300%増加する.妊娠28~32週の総コレステロールの基準値は249±40 mg/d
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