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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 II 内分泌

【老人性腟炎】52.主に外陰部痛と掻痒感を主訴とする老人性腟炎の患者です.

著者: 高橋一広1 高田恵子1 倉智博久1

所属機関: 1山形大学医学部産科婦人科学

ページ範囲:P.518 - P.519

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1 診療の概説

 腟はエストロゲン欠乏の影響を強く受ける器官の1つである.エストロゲン低下は腟粘膜上皮内のグリコーゲン含有の低下を招き,腟内酸性度の低下,乳酸桿菌の減少・消失により自浄作用が失われる.このような感染防御機構の破綻とともに腟粘膜の萎縮により外的刺激や感染に対して抵抗力が減少し,萎縮性腟炎,老人性腟炎を発症するようになる.主な症状は,帯下感,掻痒感,疼痛,性器出血や性交痛である.掻痒感は外陰,腟上皮の菲薄化や炎症によるものであり,腟粘膜の萎縮やうるおいの不足は性交痛の原因となる 1).臨床診断として,腟鏡診では粘膜の点状出血,および細菌感染も併存した場合は黄色帯下がみられ,腟分泌の顕微鏡検査では多数の多核白血球と細菌が観察される.

参考文献

1) 丸尾 猛,武内享介 : 泌尿・生殖器系.更年期・老年期女性の身体機能の特性とその障害.武谷雄二,他(編): 新女性医学体系21.pp124-136,中山書店,2001
2) 若槻明彦,篠原康一,渡辺員支 : 内分泌(老人性腟炎).臨婦産57 : 508-509,2003
3) 小宮雄一 : 更年期における性交障害への対応.日更年期医誌3 : 126-129,1995
4) 日本産婦人科医会 : 外陰痛.痛みの診断と治療.研修ノート75 : 30-38,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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