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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション

ここが聞きたい105例の対処と処方 III 不妊症

【高プロラクチン血症】59.1年前から月経不順となり,最近3か月は無月経となっている患者です.検査したところ,高プロラクチン血症があり,乳房緊満と乳汁分泌もみられます.

著者: 久慈直昭1 長西美和1 吉村泰典1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.536 - P.537

文献概要

1 診療の概説

 高プロラクチン血症(以下,高PRL血症)では,視床下部におけるドパミン代謝異常を介してGnRHの律動性分泌が障害され,女性では乳汁漏出症を伴う無月経や稀発月経,男性ではインポテンス,乏精子症などの性腺機能障害を生じる 1).高PRL血症の頻度は,健康な成人女性の0.4%,無月経女性の9%,乳汁漏出女性の25%,無月経と乳汁漏出両方の症状を有する女性の70%にみられるという 2)

 血中PRL濃度は日内変動を示し,夜間,食後や運動後に一過性に上昇するため,午前中の空腹・安静時に採血し,15 ng/ml以上の場合を高PRL血症と診断する.またPRL血中濃度は種々の要因で変動するため,診断を確定するためには血中PRLを複数回測定することが望ましい.

参考文献

1) Serri O, Chik CL, Ur E, et al : Diagnosis and management of hyperprolactinemia. CMAJ 169 : 575-581, 2003
2) Josimovich JB, Lavenhar MA, Devanesan MM,et al : Heterogeneous distribution of serum prolactin the effects of oral contraceptive medication. Fertil Steril 47 : 785-791, 1987
3) Papaleo E, et al : Cabergoline influences ovarian stimulation in hyperprolactinaemic patients with polycystic ovary syndrome. Hum Reprod 16 : 2263-2266, 2001
4) Olukoga AO : Macroprolactinemia is clinically important. J Clin Endo Met 87 : 4833-4834, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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